ビジネスでもスーパーアプリ化が話題
使っていない機能山盛りの巨大ポータルサイト化の可能性も
The Informationは、Googleがビジネス向けの統合コミュニケーションアプリを開発中であると報じました。Gmail、Googleハングアウト、ハングアウト Meet、Googleドライブなどを1つのアプリに統合して提供する計画だとしています(https://www.theinformation.com/articles/google-developing-new-unified-communications-app-for-businesses)。
MicrosoftはOffice 365のコミュニケーション機能としてMicrosoft Teamsを導入しており、月間アクティブユーザー数2000万人へと急速に成長したとしており、数字の上ではチャットコミュニケーションで先行しているSlackを上回っています。ここに、Googleがコミュニケーションのスーパーアプリ化で競合しようというのです。
Googleはこれまで、Gmail以降のコミュニケーションサービスを成功させた試しがありません。サービス名を変えたり、似たようなものを乱立させて、ユーザーの混乱を招いてきました。新しい統合コミュニケーションアプリは、それらをうまく整理する可能性もあります。
その一方でビジネスの現場では効率性がより重視され、サービス提供側が自社サービスに囲い込もうという論理は、手間も含めたコストを前に無視されていきます。そもそも時間的な効率性を追求するSlackの強みであり、MicrosoftもGoogleも絶対的な正義を振りかざされて攻めあぐんでいる状況。
翻って考えてみると、スーパーアプリの強化は消費者にとって、本当に手間を軽減しているのでしょうか。端末の制約から統合アプリが生まれましたが、巨大化していくと、以前のポータルのように、知らない機能やサービスを知らないまま過ごすこともあるかもしれません。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
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