1週空いたが、引き続き業界に多大な影響を与えた現存メーカーのHP編をお届けしよう。分離後のHPE(Hewlett-Packard Enterprise)を見てみたい。
下表は2013年以降のHPEの売上と営業利益、純利益をまとめたものである。なぜ2013年からあるのかというと、HPとHPEが比較的綺麗に分離したこともあり、年次報告には2013年当時からの(2015年以降HPEになる)部門別の売上と営業利益/純利益が記載されていたので、これをまとめた形だ。
HPEの2013年以降の業績 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
年度 | 売上 | 営業利益 | 純利益 | |||
2013年 | 573億7100万ドル | 29億5200万ドル | 20億5100万ドル | |||
318億5600万ドル | 30億6300万ドル | |||||
2014年 | 551億2300万ドル | 23億3500万ドル | 16億4800万ドル | |||
315億1800万ドル | 22億4900万ドル | |||||
2015年 | 521億700万ドル | 15億2300万ドル | 24億6100万ドル | |||
310億7700万ドル | 26億4000万ドル | |||||
2016年 | 501億2300万ドル | 41億5000万ドル | 31億6100万ドル | |||
302億8000万ドル | 32億3700万ドル | |||||
2017年 | 288億7100万ドル | 43億600万ドル | 3億4400万ドル | |||
2018年 | 308億5200万ドル | 20億1200万ドル | 19億800万ドル | |||
2019年 | 291億3500万ドル | 10億4900万ドル | 10億4900万ドル |
そして、2013~2016年はなぜ売上と営業利益がダブルになっているかというと、2017年にHPEはもう一回分離したからだ。2015年当時、HPEにはEG(Enterprise Group)とES(Enterprise Services)、Software、Financial Servicesの4つの部門があった。
ところが2017年4月、ESはHPEから分離、Computer Sciences Corporationと経営統合され、DXC Technologyという新しい会社になった。またSoftware部門は2017年9月、Micro Focus Internationalに部門ごと買収される。
この結果、HPEはEGとFinancial Servicesのみが残されることになった。というわけで、2013~2016年に関して、上段がESとSoftwareの分離前、下段が分離後の数字ということになる。
ちなみにHPとHPEの分離後、Whitman氏はHPの会長兼HPEのCEOというポジションに就いたので、2017年までの業績はおおむね彼女のものということになる(2017年11月に退任)。売上はラフに言って横ばい傾向という感じだ。
興味深いのは、売上全体と言うよりも部門別売上、というかその部門の分け方である。下表は2017年の分離後も残ったEGの部門別の売上をまとめたものだ。
2013~2015年で言えば、EGはNetworking/Storage/Industry Standard Servers/Business/Business Critical Systems/Technology Serviceの6部門に分かれていた。
ここでいうところのIndustry Standard Serversは普通のx86(x64)サーバーのことで、一方のBusiness Critical Systemsというのは、ItaniumベースのIntegrity ServerとIntegrity NonStop、それとx86の中でも高信頼性向けのProLiantを指している。

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