NOB谷口の想像を超える! 「メガーヌ ルノー・スポール トロフィーR」発表

文●栗原祥光 編集●ASCII

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ニュルブルクリンク量産FF車最速クラス!

 ルノー・ジャポンは、2019年4月5日にドイツ・ニュルブルクリンク北コースの量産FF車最速記録を更新した「メガーヌ ルノー・スポール トロフィーR」(以下メガーヌR.S. トロフィーR)を発表した。その発表会場で、東京オートサロン2020の会場で、テストドライバーを務めた谷口信輝選手のトークショーを開催。このモデルに対して太鼓判を押した。

「このクルマ、めちゃくちゃイイですよ!」とメガーヌR.S. トロフィーRに太鼓判を押す谷口選手

 「メガーヌR.S. トロフィーR」は、現在発売している「メガーヌR.S. トロフィー」をベースに、ボンネットやリアディフューザーにカーボンを用いたほか、アクラポビッチ製のチタンエキゾースト、そして後席の撤去により約130kg以上の軽量化を実現したモデル。まさに「軽さは正義」と言わんばかりのモデルに仕上げられている。さらに新型メガーヌご自慢の装備である四輪操舵も削除。そのいっぽうで、空力デバイスが付与され、バランスを最適化している。

メガーヌR.S. トロフィーRの運転席。ステアリングにアルカンターラが用いられている

ドライバーシートはフルバケット、助手席はセミバケットを採用。いずれも表皮にはアルカンターラを使用する

リアシートは排除され、タイヤを置くスペースになっている

リアビュー。大きく張り出したリアフェンダーが目を惹く

エンジンフード(ボンネット)はカーボン製

エンジンフード(ボンネット)にはエンジン冷却用のNACAエアインテークを装備

トロフィーに搭載されていたフォグランプは取り外され、ブレーキのエアインテークとしている(カーボン・セラミックパックのみ)

トロフィーR専用のステッカーが貼られた側面

 300馬力を発するエンジンは1.8リットル直4ターボとメガーヌR.S. トロフィーと変わらないが、ターボチャージャーをF1でも仕様されているセラミックボールベアリングとすることで応答性と耐久性が大幅に向上しているという。ミッションは軽量化のため6速AT(EDC)ではなく6速MTのみという清い選択。トルセンLSDも備えられ、ドライブトレインは万全の構えだ。

エンジンルーム内部の様子

 足回りも専用にチューニング。オーリンズ製ダンパーを搭載し、フロントは車高と減衰力の調整が可能。リアは減衰力調整のみとしている。注目はフロント2.05度というキャンバー角。これはメガーヌR.S. トロフィーと比べて1度多い数値。これはコーナーリング中の接地面積を増やすことで、コーナリングスピードの向上と、操作性の向上が働いているという。タイヤはポテンザ・S007だが、サイドウォールにR.S.というロゴが刻まれた専用開発品。ステアリング操作に対する鋭いレスポンスと、スポーツドライビング時における強力なグリップが得られるそうだ。

 ルノー・スポールの開発ドライバーを務めるロラン・ウルゴン氏によると「メガーヌR.S. トロフィーRは、よりレベルの高いチューニングを好み、何よりもパフォーマンスを求めるエキスパートドライバーの要望に応えたモデル。ドライバーは、車両のセットアップを変更し、特性を学びながらダンパーや挙動をチューニングすることで、自分好みのハンドリングを得て、コーナー入口から出口までを思いどおりにドライブできることだろう」という。

 コーナーリングマシンに仕上げられたメガーヌR.S. トロフィーRだが、さらにカーボンホイールや強力な制動力をもつカーボン・セラミックブレーキディスクといった、よりエキスパートに向けた専用装備を搭載したメガーヌR.S. トロフィーR“カーボン・セラミックパック”も用意される。

カーボンセラミックのブレーキローターを搭載!

ホイールはカーボンテクノロジー製の軽量ホイールを採用。トロフィー搭載のホイールと比べ、1本あたり2kgの軽量化を達成している

谷口選手いわく「乗り手を選ぶマシン」

 発表イベントでは今回メガーヌR.S. トロフィーRの開発に携わった谷口信輝氏によるトークショーが開催された。ルノースポールについて谷口氏は「僕は雑誌の企画でメガーヌR.S.などルノースポールのクルマを乗せていただいた時に、毎回乗り手の僕からしたら、メチャクチャいいね! このクルマを仕上げたテストドライバーは天才だなと思っていました。そういうことを言っていたらから、お話が来たのかな」と出会いを振りかえりながら、ルノースポールの気持ちよさを指摘。

 谷口氏にとってのイイクルマの条件とは「僕はラグというのが嫌いなのですが、過激ではなく、僕がほしい分だけ反応するのがいいクルマの条件です。だからといってパワーがないクルマというのは、それはちょっと刺激が足りない。ステアリングレスポンスやアクセルレスポンス、ブレーキレスポンスなどの色々な数値がキレイに揃っているのがいいクルマです」とのこと。

 その点においてメガーヌR.S.トロフィーは「僕の期待を上回るものでした。普通はこの位曲がったらこうなるよね、というのが、さらに上を行くんです。このクルマはどれだけポテンシャルを秘めているのか、というのがグイグイくるんです。だから乗っていて高揚するんです」と熱く語った。それでいて「街乗りも何も苦な部分が何もなくて。人馬一体なクルマなので、普通に走る状態でもノーストレスでしたね」と、既発売のトロフィーを称賛。

 そんな谷口氏が「天才だ」と思っていたテストドライバーであるウルゴン氏と出会った時、助手席に座ったそうだが「彼はラリー系ドライバーなので、乗り方がちょっと特殊なんですね。ブレーキをコーナーリング中にかけてヨーモーメントを発生させて、積極的に運転手が曲げていく人なんです。その時は、こういう運転の仕方なのね、と思ったのですが、こういう運転の仕方なのに、こんな仕上げ方をするの? と。結構荒々しく運転するのに、丁寧な仕上げだという。僕とは運転のスタイルはまったく違うのですが、車両が抜群にいいというのは驚きです」と舌を巻く。

 谷口氏が最初に鈴鹿サーキットでトロフィーRに触れたのは昨年の2月のこと。ちなみにルノーが開発車両を国外でテストするのは稀で、さらに部外者がステアリングを握るのは初めてのこと。「僕はルノーがどうやって仕上げていくかという様子が見られるだけで楽しみにして行きました。ですが、ウルゴンさんは乗らずに、乗ってセットアップして、と言うんですよ。僕の感じたところによると、彼らが本来とは異なるセッティングと違う状態で持ち込まれていて、それを僕がどうするのか、というのを見られていたというか、試されていたんですね。結果的に非公認のタイムで当初のルノーさんが思うタイムより上回ることができて気に入ってもらえたようです」という。

 その後、テストカーではなく市販車で再度鈴鹿をアタック。「結果的にウルゴンさんが、鈴鹿で1分25秒4(前モデルが1分28秒)と、対抗馬の車を破ることができて一安心しました。誰がタイムを出してもいいんです。オトナですから(笑)」と鈴鹿のFF最速をマークしていることも話した。

 「僕はトロフィーに乗った時に四輪操舵でよく曲がってメチャクチャいいクルマだと思っていたのですが、その四輪操舵をトロフィーRは取ったんですよ。だから誰でもトロフィーRに乗れば速く走れるのかというとそんなことはなく、ある程度の腕は必要だと思います。早く走ろうと思えば思うほど、ブレーキが残ったままターンインをするとリアが滑るのですが、ブレーキを残さないでターンインする方や、オーバーステアが苦ではない人にはいいクルマだと思います。僕が感心するのは、いち自動車メーカーが乗り手を選ぶというか、お前乗れるのか? と語りかけてくるのはなかなかないと思います。僕ぐらいに腕があると、抜群に楽しいです」と笑顔に。

 日本のタイムアタックの聖地である筑波でアタック。谷口氏は1分3秒591という記録を出した。この時はニュータイヤではないというところが驚きで「僕がニュータイヤだったら1分2秒台に入れる自信がある。1分2秒台といったら半端ないですよ。それでいて何周でも走っていたいという楽しさがあるんです。筑波と鈴鹿でニュータイヤのアタックしてみたいですね」という。

 そんなトロフィーRを買うかと質問された谷口氏は「僕はアリですね。ただ我が家的なルールとして、画面でテレビが見れないと駄目なんですよ。僕は前しか見ないですけれど、妻がテレビが映らないクルマは駄目なんです。僕がクルマを買った時に早くテレビジャンパーをつけろと言われるんです。それが我が家的に駄目なポイントです」とオチをつけた。

 メガーヌR.S. トロフィーRは全世界500台限定生産。日本の割当はそのうち47台で、価格は689万円。ボディカラーはブラン ナクレMという白色のみで、販売方法は先着順。そして“カーボン・セラミックパック”は、4台の抽選販売で価格は949万円。申込期限は1月19日(日)23:59までとなっている。

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