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業界人の《ことば》から 第374回

Google NEST担当の松岡陽子氏がCEOに

“分業バカ”から“ヨコパナ”へ、Panasonic βにかけたパナソニックの想いは?

2020年01月10日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集● ASCII

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あなたの最適を提供できる会社を目指す

 松岡氏が在籍したNestでは、サーモスタットからビジネスをスタートさせたが、単に家のエネルギーを管理したり、室温を変えたりするためのものではなく、それを入口として、人の人生を変えることを目指したものだったとする。それと同じような姿勢で臨むことになる。

 Panasonic βを通じて松岡氏が取り組むのは、コンシューマ製品を作ることではなく、人々の暮らしを良くすることであり、その成果がPanasonic βから出ることが期待される。

 宮部専務執行役員は「日本の企業が得意としていたのは、Society 3.0と呼ばれる工業化社会の時代。情報社会であるSociety 4.0では、マイクロソフトやインテルがプラットフォームを構築。日本の企業は、その波に乗り切れなかった。これからは、その先の超スマート社会のSociety 5.0が訪れる」と前置きし、

 「パナソニックは、2013年に携帯電話から撤退した。このときの商品はiPhoneよりも長時間駆動で、FeliCaに対応し、防水対応を実現していた。工業製品として見た場合には、iPhoneよりも優れていたが、それでは通用しなかった。Society 4.0やSociety 5.0になると、いい工業製品を作っているだけでは売れない。それだけでは勝てない」とする。

 続けて、宮部専務執行役員は「工業化社会のSociety 3.0では、大量生産、大量販売が人々に幸福をもたらしたが、次の時代ではそれぞれの人に最適なものを提供できる会社にならなくてはならない。パナソニックは、みんなの最高ではなく、あなたの最適を提供できる会社を目指す」とする。

 それが、津賀社長が掲げた「くらしアップデート業」ということになり、ヨコパナによる取り組みが不可欠になる。

 くらしアップデート業の実現には、パナソニックのなかから分業バカを減らすことが鍵となりそうだ。

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