業界人の《ことば》から 第374回
Google NEST担当の松岡陽子氏がCEOに
“分業バカ”から“ヨコパナ”へ、Panasonic βにかけたパナソニックの想いは?
2020年01月10日 09時00分更新
Panasonic βの成果は変革の0.5歩
宮部専務執行役員が危機感を持ったのは、2016年頃だったという。
「ゼロからのリスタートとして『第2の創業』を打ち出し、それぞれの役割を一度捨てて、ひとつの目標に向けて、自分たちでやれることは全部やっていこうというマインドセットを持った集団を作った。この具体的な取り組みがPanasonicβである。大企業の分業体制では、できないことをやっていく組織である」とする。
2017年にスタートしたPanasonic βは、同社が打ち出すクロスバリューイノベーションを実践する最前線組織に位置づけられる。
ここ数年、パナソニック社内では伝統的な事業部制による縦型組織ビジネスモデルを「タテパナ」と呼ぶのに対して、事業部の枠を超えた事業モデルを実現することを「ヨコパナ」と表現。Panasonic βは、ヨコパナの推進役となる。
Panasonic βは、シリコンバレーに拠点を置き、デザインシンキングの手法を用いていくつかのプロジェクトを開始。成果のひとつとして、くらしの統合プラットフォーム「Home X」を開発。すでに、パナソニックホームズの「カサートアーバン」に採用し、100以上の世帯が利用している。
宮部専務執行役員はこの成果を捉えて、「変革の0.5歩を踏み出したところだ」と語る。
この連載の記事
-
第606回
ビジネス
テプラは販売減、でもチャンスはピンチの中にこそある、キングジム新社長 -
第605回
ビジネス
10周年を迎えたVAIO、この数年に直面した「負のスパイラル」とは? -
第604回
ビジネス
秋葉原の専門店からBTO業界の雄に、サードウェーブこの先の伸びしろは? -
第603回
ビジネス
日本マイクロソフトが掲げた3大目標、そして隠されたもう一つの目標とは? -
第602回
ビジネス
ボッシュに全株式売却後の日立「白くまくん」 -
第601回
ビジネス
シャープらしい経営とは何か、そしてそれは成果につながるものなのか -
第600回
ビジネス
個人主義/利益偏重の時代だから問う「正直者の人生」、日立創業者・小平浪平氏のことば -
第599回
ビジネス
リコーと東芝テックによる合弁会社“エトリア”始動、複合機市場の将来は? -
第598回
ビジネス
GPT-4超え性能を実現した国内スタートアップELYZA、投資額の多寡ではなくチャレンジする姿勢こそ大事 -
第597回
ビジネス
危機感のなさを嘆くパナソニック楠見グループCEO、典型的な大企業病なのか? -
第596回
ビジネス
孫正義が“超AI”に言及、NVIDIAやOpen AIは逃した魚、しかし「準備運動は整った」 - この連載の一覧へ