松本典子の「Azure Logic Apps」超入門 ～AI編～ 第7回

年末のお買い物、買い忘れ防止に！ Google ToDo＋Pushcut＋Logic Appsで作る

「指定した場所に近づくとスマホに買い物リストを通知する」仕組みを作ろう

4. Azure Logic Appsワークフローの作成

今回作成するLogic Appsワークフローの全体図

　ここから作成するLogic Appsワークフローの全体図を示しておきます。このとおり、今回のワークフローはとてもシンプルです。

　まず「2-1. Azure Logic Appsを新規作成する」で保存しておいたワークフローを開き、「＋新しいステップ」をクリックしてアクションを追加していきます。

4-1. Google ToDo（Google Tasks）コネクタの設定

Google Tasksコネクタ（ToDoリストの指定）

　検索で「Google」と入力し、表示されるアクションから「Google Tasks」を選択します（Google ToDoはかつてGoogle Tasksという名前だったため、コネクタ名はこうなっています）。そのうえで、アクション一覧の「タスクリストのタスク一覧表示」を選択します。なお初めて利用する場合は、ここでGoogleアカウントへのログインを求められます。

　「タスクリストID」のプルダウンメニューをクリックすると、Google ToDoに登録されているToDoリストが表示されます。ここでは買い物リストを登録しているリスト名を選択します（今回は「日用品」）。

4-2. Pushcutコネクタの設定（アクション）

Pushcutコネクタ（Send a notification）の設定

　次に、Pushcutコネクタ経由でデバイスに通知を送るアクションを設定します。「＋新しいステップ」をクリックします。

　検索で「Pushcut」と入力し、Pushcutコネクタをクリックして「Send a notification（プレビュー）」アクションを選択します。「Notification」のプルダウンメニューから、Pushcutアプリの「Notification」で登録した名前を選択します（今回は「buy-list」）。

　続けて「新しいパラメーターの追加」をクリックし、「Dynamic Text」にチェックを入れて通知内容の入力欄を表示させます。追加された入力欄をクリックし、「動的なコンテンツ」から「アイテムタイトル」を選択。この時点で「For each」が自動で設定され、図のような見た目になります。

　以上でLogic Appsワークフローの作成が完了し、「指定した場所に近づくと買い物リストを通知する」仕組みができました。

実行結果と応用編：複数のお店でそれぞれに対応した買い物リストを通知

実行結果（Google ToDoリストに書き込んだ内容と、iPhoneに表示された通知）

　実行結果は上図のとおりです。このように、実際に指定した場所に近づくと、Google ToDoに登録した買い物リストが通知されます。

　今回の仕組みを応用すると、複数の場所で買い物リストやメモを通知させることができます。ただし複数の「Notification」を登録する必要があるため、Pushcutは有料プランの利用が必須になります。

　具体的にはまず、「日用品」や「衣類」「書籍」など、用途（お店、場所）に応じて複数のGoogle ToDoリストを作成します。そのうえで、場所とToDoリストの組み合わせが異なるPushcutの「Local Triggers」と「Notifications」、そしてLogic Appsワークフローを追加することにより、複数の場所でそれぞれに応じた通知を出すことができます。

　またPushcutアプリでは、「指定した場所に近づいたとき（When Arriving）」だけでなく、「その場所から離れたとき（When Leaving）」をトリガーとすることもできます。アイディア次第で、これも便利に使えるかもしれません。

　ただし、Todoリストに登録した項目が多すぎると通知がものすごい量になり、見落とす原因にもなってしまいます。ご利用は計画的に！

＊　＊　＊

　今回紹介したPushcutのように、Logic Appsにはサードパーティー製のサービスコネクタも続々と追加されていっています。これらをうまく利用することで、ノンコーディングでできることの幅が広がると思うので、ぜひ色々試してみてください！

■関連サイト

• Pushcut
• Logic Appsコネクタ「Pushcut (Preview)」ドキュメント
• Google ToDo リストの使い方