このページの本文へ

今年もビルダーを魅了!AWS re:Invent 2019レポート 第3回

「AQUA for Redshift」などデータレイク/アナリティクス領域でも新発表が続々

Redshiftは他社の3倍、そして10倍高速に―AWSジャシーCEO基調講演

2019年12月16日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

アナリティクス:コンピュート/ストレージを個別にスケール「Redshift RA3ノード」

 ジャシー氏は、こうした細かなRedshiftの機能強化を紹介しつつも、それだけでは不十分であることを認める。「Redshiftは繰り返し進化を遂げているが、データが爆発的に増大する中では、さらに進化させなければならない」。

 そう述べたうえで、Redshift利用時のコストパフォーマンスを最適化できる新しいノードタイプ「Redshift RA3 Instances with Managed Storage」を発表した。同日より一般提供を開始している。

「Redshift RA3 Instances with Managed Storage」を発表

 従来のRedshiftでは、ローカルストレージに高速なSSDを搭載した高密度コンピュートノード(DC2)と、大容量HDDを搭載した高密度ストレージノード(DS2)が用意されていた。新しいRA3では、この「高速」と「大容量」の両方を実現するべくNitro Systemベースで開発し、ノードのアーキテクチャそのものを進化させている。

 RA3ノード(ra3.16xlarge)のスペックを見ると、1ノードあたり48vCPU、384GBメモリ、そして最大64TBのストレージを備え、I/Oは8GB/秒だ。最大128インスタンスをクラスタ化した場合、8PB以上のワークロードをサポートする計算になる。

 従来のノードと異なるのは、このストレージ部分に「Redshiftマネージドストレージ」を採用している点だ。これはストレージを「高速なローカルNVMe SSDキャッシュ」と「バックエンドのS3」という2層(2ティア)構成とし、データはすべてS3に保存/オフロードしつつ、Redshiftがひんぱんに参照するホットデータだけをノード上のSSDに自動キャッシュする仕組みだ。この高速な自動ティアリングの処理をNitroが担う。

RA3ノードでは新たに「Redshiftマネージドストレージ」を採用。ノード内のSSDキャッシュ+S3ストレージという構成になり、ストレージ料金はノード数でなく容量に応じた課金となる

 そしてRA3のストレージ利用料金は、使用するRedshiftクラスタのノード数とは完全に独立して、ストレージ容量に対してのみ課金される(データがSSD、S3のどちらにあるかも問わない)。これによりRedshiftユーザーは、従来のノードではその比率が固定されていた「コンピューティング性能」と「ストレージ容量」を個別に、柔軟にスケーリングさせることが可能になる。

 AWSでは、RA3ノードによって「従来のDS2ノード比で最大2倍のパフォーマンス、2倍のストレージ容量を、DS2と同じコストで利用できる」と発表している。

カテゴリートップへ

この連載の記事
  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード