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Windowsファイル共有やブロックチェーン、強化学習向け機能まで盛りだくさん

ビルダーのあらゆるニーズを網羅するAWSの新サービス

2018年11月30日 20時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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 ラスベガスで開催された「AWS re:Invent 2018」の3日目にあたる11月28日、基調講演に登壇したのはAWSのCEOであるアンディ・ジャシー氏だ。Windowsファイルサービスやブロックチェーン、強化学習向けのSage Makerの拡張などの数多くの新サービス・新機能は、ビルダーのあらゆるニーズを網羅するのが目的だ。

AWS CEO アンディ・ジャシー氏

絶好調のAWS 成長率の差は売上規模の違いに過ぎない

 名曲「Crosstown Traffic」に載って壇上に現れたジャシーCEOは、今回のイベントの参加者が5万人以上にのぼることを披露。アクティブカスタマーも100万を超え、ジャシー氏はスタートアップ、エンタープライズ、公共部門などの数多くのユーザーのロゴを披露した。

 続いてAWSのビジネスの現状について説明。年間成長率は46%、昨年の売上高は2.7兆円に上り、IaaSシェアにおいては実に51.8%のシェアを誇っているという(IDC調べ)。「2位のプロバイダーは76%の成長率と言っているが、これは1億ドル増に過ぎない。でも売上規模が違うため、われわれの46%の成長率は21億ドル増を意味する。シェアとしてもリーダシップを確保しているが、絶対的な収益という点でもどこよりも速い成長である」とジャシー氏はアピールした。

「その他」がかすむほど圧倒的なシェアを誇るAWS

 3時間におよんだ今回のジャシー氏の基調講演は、エンジニアや開発者のみならず、マネージャー、CxOなどを含むいわゆる「ビルダー」たちの気持ちを名曲の歌詞で代弁し、5つのテーマで語るというものだ。取り上げられた5つのテーマはストレージ、セカンドビルダー、データベース、機械学習、ハイブリッドクラウド。それぞれ見ていこう。

ネイティブなWindows共有ファイルシステムをサービス化

 AWSのサービスはすでに140にのぼっており、会場となったSANDS EXPOでは投影が難しくなった。しかも単にサービスの数ではなく、サービスの深さが重要になるという。ジャシー氏は、「ビルダーはサービスを簡単に試せるので、サービスの深さをすぐに理解できてしまう。だから、単にサービスの数で星取り表を作っても意味がない」と語り、セキュリティやデータベースのサービスを例にサービスの深さや機能について比較する。

 ストレージに関しては「ブロック」「オブジェクト」「ファイル」「データ転送」の大別され、直近ではS3のデータを自動的に階層化管理する「Amazon S3 Intelligent Tiering」やバッチオペレーションのサポート、AWS外への高速なデータ転送を提供する「AWS DataSync」、S3と統合したファイル転送サービス「AWS Transfer for SFTP」などが発表されている。EFSに関しては、アクセス頻度の少ないファイルを保存する安価な「IA Storage Class」のオプションもリリースされた。

 同日、新たに発表された「Glacier Deep Archive」は、アーカイブ用途のAmazon Glacierの1/4にあたる低価格を実現したコールドクラウドストレージになる。TiBあたり1ドル未満で、オンプレミスのテープよりも安価。99.999999999%という高い耐久性を実現しており、データは12時間以内に取得できる。2019年に全リージョンで提供される予定になっている。

テープよりも安価なコールドストレージ「Glacier Deep Archive」

 また、「Amazon FSx for Windows File Server」はWindowsファイルシステムと完全な互換性を実現する共有ファイルストレージ。Windowsのファイル共有プロトコルであるSMBへの対応、NTFSの実装、Active Directoryとの統合、分散ファイルシステム(DFS)のサポートを含んでおり、アクセス権設定やエクスプローラーからの利用も可能になっている。ファイルシステムあたり最大2GB/秒のスループット、数十万IOPS、サブミリ秒単位の低遅延など高い性能を実現。保存・転送中のデータはすべて暗号化されており、PCI DSSやISO、HIPPAなどのコンプライアンス規格にも準拠する。

Amazon FSx for Windows File Server

 ジャシー氏によると、クラウドプロバイダーにホストされているWindowsのうち、57%はAWSで、Microsoft Azureは30.9%になるという(IDC Wordlwide)。これまでAWSはAmazon Elastic File System(EFS)でNFSの共有ファイルストレージを提供してきたが、Windowsに関してはWindowsファイルシステムと完全互換のサービスを提供するという結論に達したという。Active DirectoryやNTFSに依存したアプリケーションのためにAzureを利用しているユーザーの声は聞いたことあるので、単なるSMBファイルサーバーではなく、ネイティブなWindowsファイルシステムにこだわるのは正しい方向性だと思われる。

 同じく「Amazon FSx for Lustre」は科学技術計算や気象予測などでよく使われるLustreファイルシステムのマネージドサービス。数百GB/sのスループット、数百万IOPS、サブミリ秒の遅延で大量のデータセットを処理できる。また、S3と統合されており、VPNやDirectConnectでAmazon FSxにアクセスできる。

 ゲストとして登壇した生保保険会社のガーディアンCIOのディーン・デル・ヴェッチオ氏。5年前に入社したヴェッチオ氏は、モダンなエンタープライズに脱皮すべく、アジャイル開発を導入し、クラウドへの移行を推進。40以上のSaaSをAWSに統合し、200以上のアプリケーションをAWSに移行させ、11月の初頭に最後のデータセンターを閉鎖したという。「すべてクラウドファーストの企業になり、ビジネス価値を追求できる企業になった失敗を速く試し、検証できることが可能になった」とヴェッチオ氏はアピールする。

ガーディアンは最後のデータセンターを閉鎖した

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