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開発に5年! 技術に対する徹底的な姿勢を感じた発表会

世界初、本物のベリリウム振動板を採用したfinal A8000

2019年11月23日 15時00分更新

文● ASCII

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重厚感あるステンレス製の筐体がベリリウムの力を引き出す

 A8000では、このベリリウム振動板を、テトラチャンバー構造と名付けた形状のステンレス削り出し筐体に収めている。もともとダイナミック型ドライバーは、振動板の前の空間(前室)と後ろの空間(後室)の容積や形状が、音質に大きな影響を与えるが、ベリリウムドライバーの動きは非常に繊細で、その影響はさらに強いという。

テトラチャンパー構造の説明。特にドライバーの前室(3のノズル部分)の形状は音に対する影響が大きく吟味を重ねたという。

 テトラチャンバー構造では、その動きを最適化するために筐体を「ドライバー前室」「ドライバー後室(二重構造)」「MMCXコネクター部分」の4つに分割。この形状は、シミュレーションだけでなく、試作と試聴を通じた細かな調整の繰り返しによって決められた。さらにドライバーは前室にダイレクトに取り付け、ステンレス筐体で支えて無駄な振動を抑制する手法を取っている。ここで接着剤を使用すると、ゴムを使っているのと同じ効果が出て、音の収束が悪くなるといったデメリットが生じるため、避けたそうだ。

finalのデザインには思想がある。デザイナーの遊び心といったあいまいな要素は入れず、論理で突き詰めた先に人の心を動かす正解があるとする。音質を最善にするデザインが根底にあるが、一方でCADに頼りすぎず、人の手で引いた美しい曲線にもこだわっている。

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