サービスの連携と創出に期待
3つめは、サービス領域におけるシナジーだ。
ヤフーは検索サービス、Yahoo!ニュースをはじめとするメディア事業、Yahoo!ショッピングや買収したZOZOなどのeコマース事業、PayPayを核にしたFintech事業を持つ。一方LINEはメッセンジャーアプリと、その上で展開するニュースやゲーム、音楽、eコマースなどのサービス、そして、LINE PayをはじめとするFintechや、LINEクローバーをはじめとするAI関連サービスがあり、連携が期待されるところだ。
今回の会見では「両社がやっている事業の棲み分けや統合は、これから議論していくことになる」(出澤社長)とし、具体的なサービスの統合プランなどについては明言しなかった。だが、川邊社長は「ヤフーは、メッセンジャーのサービスを提供できていない。LINEはeコマースにはあまり力が入っていない。それぞれを補うことができる」とし、
「ヤフーでeコマースを利用したユーザーがソフトバンクのスマホユーザーであれば、ポイント10倍といったサービスを行なっている。統合後には、これと同様に、LINEユーザーにもポイント10倍といったサービスを提供できるだろう」などとする。
出澤社長は「いまあるものの組み合わせだけでも統合効果は大きいが、新たなサービスを創出することが、爆発的ともいえる速度で、事業を拡大することにつながる」と述べ、両社の統合で、これまでの基盤を生かした新たなサービス創出に期待を寄せる。
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