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小島寛明の「規制とテクノロジー」 第49回

ヤフーLINE統合がはらむ課題

2019年11月18日 09時00分更新

文● 小島寛明

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 ヤフーなどを傘下に抱えるZホールディングスが、メッセージアプリ最大手LINEと経営統合するというニュースが駆け巡っている。

 いまのところ、ソフトバンクやZホールディングスは、「協議中」であることを認めているが、先行した日経新聞が「経営統合」と報じたが、「包括提携」とする報道機関もある。

 一方で、東芝が「親子上場」を解消するため、子会社の株を取得すると発表している。

 ソフトバンクグループと東芝の両社は、かなり雰囲気の異なる企業グループだが、ほぼ同じタイミングで報じられた2つのニュースは、共通する課題がある。

 親会社と子会社がいずれも株式市場に上場している「親子上場」をめぐる課題だ。

●子会社アスクルと対立したヤフー

 東芝の発表によれば、東芝は、上場している東芝プラントシステムなど3社の株を公開買付し、完全子会社化を目指すという。

 東芝の今回の決定の背景には、企業買収が一般化した結果、親会社と子会社がともに上場をしているケースが増え、いくつかの課題が生じていることがある。

 2019年夏には、ヤフー(現在のZホールディングス)と、子会社でオフィス用品を販売するアスクルが激しく対立した。

 ヤフー側が、個人向けネット通販サービス「LOHACO」を譲渡するよう、アスクルに要請。当時のアスクルの経営陣がこの提案に対して強く反発した。

 この結果、筆頭株主のヤフー側は、社長の退任などを求める強い措置に出た。8月に開かれたアスクルの株主総会では、社長退任へと発展した。

●日本取締役協会はヤフーを批判

 以下に、おおざっぱな関係性を図として示すが、現在のアスクルは、Zコーポレーションの子会社だ。ソフトバンクグループからみると孫会社にあたる。携帯キャリアのソフトバンクもZホールディングスの大株主だ。

 アスクルもヤフーも上場している、「親子上場」にあたるが、この騒動を株主の視点でみると、どんな問題があるのだろうか。

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