初の家電データ販売や統合UIの提供
ひとつめは、家電から発信される生活データを意味のある高次化データとし、それを活用できることだ。ここでは、いくつかの例がある。たとえば、シャープのホットクックでは利用履歴から「具だくさん味噌汁」などの特定メニューの調理率を都道府県ごとに算出。山口県や山梨県で調理率が高いことがわかったり、ヘルシオの調理メニューランキングを算出したりといったことができる。
また、洗濯乾燥機の乾燥機能利用率と、雨が降っている地域とが連動していることがわかるといったことも見える化できる。こうしたデータを高次化し、さまざまな領域での活用提案をすることができるのが大きな特徴だ。
家電データを、高次化して販売するのは今回が初めてとなり、パートナー企業はこれを利用して、さまざまなサービスにつなげることが可能になる。
2つめはプラットフォーム同士を相互接続することができる環境を実現していること。シャープだけの閉じたプラットフォームではなく、横連携が可能になるプラットフォームだ。
3つめはパートナーがやりたいことを実現するために、可能な限り、柔軟に個別対応できる体制を持つこと。パートナーへの個別対応では、事業企画、ソフト設計、開発、クラウドの運用までをトータルでサポート。製品のIoT化の支援による付加価値の提供、コストダウンを実現するオペレーション改革、製品販売以外にビジネスを拡大する事業改革などにも対象を広げる。
そして最後に、他社の機器連携において、統一したインターフェースを実現できる統合UIを提供することだ。シャープのスマートライフサービス「COCORO HOME」で提供している画面を提供。具体的にはユーザーの生活習慣を解析し、最適なタイミングで知らせる「タイムライン」、機器の一覧管理や動作状態の確認、機器アプリと連携などの「機器リスト」、各サービス事業者と連携して提供するマーケットプレイス、使えるサービスの一覧表示機能などを提供する「サービスリスト」の3つを広く公開する。
「これらの4つの特徴を生かすことで、成果かつデータを活用したさまざまなサービスが生まれる場になることを目指す」とする。
この連載の記事
-
第606回
ビジネス
テプラは販売減、でもチャンスはピンチの中にこそある、キングジム新社長 -
第605回
ビジネス
10周年を迎えたVAIO、この数年に直面した「負のスパイラル」とは? -
第604回
ビジネス
秋葉原の専門店からBTO業界の雄に、サードウェーブこの先の伸びしろは? -
第603回
ビジネス
日本マイクロソフトが掲げた3大目標、そして隠されたもう一つの目標とは? -
第602回
ビジネス
ボッシュに全株式売却後の日立「白くまくん」 -
第601回
ビジネス
シャープらしい経営とは何か、そしてそれは成果につながるものなのか -
第600回
ビジネス
個人主義/利益偏重の時代だから問う「正直者の人生」、日立創業者・小平浪平氏のことば -
第599回
ビジネス
リコーと東芝テックによる合弁会社“エトリア”始動、複合機市場の将来は? -
第598回
ビジネス
GPT-4超え性能を実現した国内スタートアップELYZA、投資額の多寡ではなくチャレンジする姿勢こそ大事 -
第597回
ビジネス
危機感のなさを嘆くパナソニック楠見グループCEO、典型的な大企業病なのか? -
第596回
ビジネス
孫正義が“超AI”に言及、NVIDIAやOpen AIは逃した魚、しかし「準備運動は整った」 - この連載の一覧へ