秋であります。消費税が上がってガソリンも値上がりしましたが、オープンカーには最高の季節であります。冬のように凍えることもなく、春のように雪解けの水や砂塵をかぶることもなく、夏のように陽に焼かれることもない。どこへ行ってなにを食ってもうまい。オープンカーで旅に出るなら、いまをおいてほかにありません。
しかし、10月だというのに札幌はまだ夏日が続いております。気がつくと背中は汗でべっちょり。一度降りると背中が冷たくなり、建物の中の冷えた空気にさらされると、体力のないおじさんは風邪をひいちまうんであります。
そんなことで本日は鼻声で失礼いたしますが、そんなのみなさまの知ったこっちゃありません。新車を買った情報2019。私は四本淑三であります。今回も話題の中心はロードスターRFでありますが、後悔のないグレード選択シリーズもいよいよ終盤。テーマは「レザーシートで過ごした一夏の経験」であります。
グレードとはなんだったのか
クルマのグレードというものは、かつてはクルマの「格」を示すものでありました。これはメーカーがクルマに付与した階級章のようなものでありまして、リアに貼る「スタンダード」「セミデラックス」「デラックス」「スーパーデラックス」、あるいは「G」「GL」「G LS」といったバッジとともに、装備や外装で細かく差を付けていたわけです。
「隣の家はデラックスなのに、我が家がスタンダードなのは恥ずかしい」。そんな一億総中流と言われた昭和の民心につけ込み、いらん装備をあれこれくっつけ、単一車種で幅広い所得層をカバーしていたわけであります。
対して近頃のクルマは競技用車両などを除けば、エアコンやパワーステアリングのような最低限の装備は付いているわけでして、違いは客の都合や趣向に合わせたキャラクターの差であります。それでも「いちばん高いやつ持ってこい」という昭和の客も死んでおりませんし、シートにマッサージ機能が付くようなダサいグレードも抜かりなく用意されているのであります。
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