ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第530回
HP 9000シリーズでワークステーションのシェアを獲得したHP 業界に多大な影響を与えた現存メーカー
2019年09月30日 12時00分更新
MC68000系を利用したHP 9000シリーズの前身
プログラマブル関数電卓HP 9800シリーズ
話を戻すとHP 9000/400はともかくとして、HP 9000/300シリーズは、HPがワークステーション分野でシェアを獲得するための重要な役割を果たしたことになる。
付け加えておけば、このHP 9000/300の「前に」、同じくMC68000系を利用したシステムがHPに存在した。冒頭でHP 9800シリーズの話をしたが、これである。
連載519回で、HP 9100シリーズを解説したが、この後継機種として1971年から投入されたのがHP 9800シリーズである。
画像の出典は、The Museum of HP Calculators
要するにプログラマブル関数電卓であるが、1972年に登場した後継のHP 9830Aではそのプログラミング機能のためにBASICインタプリタを搭載する。
HP 9830Aの次の世代にあたる製品では、ローエンドは例えばHP 9805のように電卓機能に特化した方向に進んだ一方、ハイエンドは1977年のHP 9831やHP 9845など、電卓というよりはPCに近い構成にどんどん進化していった。
画像の出典は、The Museum of HP Calculators
画像の出典は、HEWLETT-PACKARD 9831A DESKTOP COMPUTER
画像の出典は、HP Computer Museum
余談ながらこのHP 9845シリーズは1980年にHP全社中でもっとも売上が高かった製品であり、1978~1979年も売上トップ5に入っていたそうで、それは他の製品ラインと多少被ろうとも、このラインに注力するのも無理ないところである。
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