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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情第530回

HP 9000シリーズでワークステーションのシェアを獲得したHP 業界に多大な影響を与えた現存メーカー

2019年09月30日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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 前回の続きの前に、HP 9000/500シリーズについて訂正をしたい。以下の情報を読者からいただいたからだ。

 HP 9000/500シリーズのOSは、BASICとHP-UXの2種類。筆者はBASICはHP-UX上で提供されると考えていたのだが、そうではなくHP 9800シリーズ(分類としてはプログラマブル電卓であるが、HP 9100シリーズの延長にあるもので、プログラミング言語としてBASICが利用できた)と同じく、ブートするとBASICが立ち上がるという構成だそうだ。

 HP-UXはコマンドレベルこそUNIXであるが、ファイルシステムはBASICと共通だったので、例えば"."(カレントディレクトリ)や".."(上のディレクトリ)がなかったなど、やや毛色が変わっていたらしい。

 SUNOSは、カーネルというよりはBASICとHP-UXで共通するハードウェアの抽象化レベルを示している。要するにHALみたいなもので、SUN I OSだとHP 9020のみの抽象化でBASICにしか対応していなかったが、SUN II OSでは抽象化のレベルが広がったと思われる。

MotorolaのMC68040を搭載したワークステーション
HP 9000/300シリーズ

 さて、前回はPA-7300LCあたりまで、PA-RISCとHP 3000シリーズについて説明した。今回のお題はHP 9000シリーズだ。

 1992年にFOCUSチップを搭載してワークステーションとして登場したHP 9000シリーズであるが、背景としてあったのはこの当時UNIXワークステーションへのニーズが非常に高まっていたことだ。

 ところが最初のHP 9000/500シリーズは1985年にHP 9000/550がリリースされた後が続かなかったし、中身そのものはHP 9000/520と差がなかったため、実質1982年の製品の派生型でしかない。

 一方後継は? というと連載528回でも触れたがFOCUS-IIチップはキャンセルになっており、PA-RISC(NS-1)を搭載した製品が出るのは1988年のHP 9000/825S・835S・840Sまで待たねばならなかった。

 もちろん1982年当時、まさかそのあと6年間PA-RISCが出ないとは想像もしなかっただろうが、それにしてもFOCUS-IIのキャンセルなども踏まえれば、なにかしら代替のUNIXワークステーションをリリースする必要があるのは明白である。

 ということで、1985年にまず投入されたのがHP 9000/300シリーズである。Model 310は10MHzのMC68010に1MBのRAMという構成だったため性能もそれなりだったが、同時に発表された上位のModel 320(16.67MHzのMC68020+FPUのMC68881)はそこそこの性能だった。

価格はわずか5055ドルで、それもあって生産中止の1991年までに6万5000台が出荷されたそうだ。この写真はプリント基板の製造(エッチング)ラインを模したものだろう

 1985年といえばSun MicrosystemsがSun-3をリリースしたころで、ピザボックススタイルのSun-3/75はやはり16.67MHzのMC68020+MC68881という構成だったので、これと同等というあたりである。

 メモリーは標準で1MBというのは、GUIを使うにはかなり厳しい(もうこの頃にはX Window Systemが普及を始めており、1985年にはX10R3ベースのWindow SystemがHP-UXでも利用できるようになっていた)が、これは拡張可能だったはずだ。

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