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新車を買った情報2019 第31回

マツダ ロードスターRFのオーディオは音が悪い方が至高

2019年09月21日 12時00分更新

文● 四本淑三、編集●西牧

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 新車を買った情報2019。私は四本淑三であります。今回の話題の中心もロードスターRFなんでありまして、前回に引き続き、走行性能にはまったく関係のないAVシステム、その片割れのオーディオであります。

 他人より速く走ろうと思ったら、いの一番に外したいものでありますし、どうせ風切り音やロードノイズで音楽どころではないだろう。そう思われても仕方のないところはありまして、たしかに速度や強風、道路の混み具合など、条件によってはおっしゃるとおり。再生装置の出力にも、人が解像できる音量にも限度はございます。

 ですが、オープンエアモータリングを楽しむという観点で言えば、これは主食に対するおかず。ご飯だけでも十分満足できますが、納豆や海苔、梅干しやお新香、味噌汁やカレー、ハンバーグや生姜焼きがあれば、さらにご飯がおいしくなるというようなものです。

天井が開くのは音楽のため

 オープンカーで聴く音楽というのは、誠に良いものであります。それどころか、天井が開く機能は音楽を聴くためにある。私はそのように考えておりまして、環境音にまみれた音楽が気持ちよく聴ける環境というのは、これを除くと滅多にあるものではございません。

 正反対のケースとして、遮音性の高い耳栓型のイヤフォンが必要な場面を想像してください。電車の走行音やオフィスの喧騒は、不快だから排除したい。あるいは、そうやって音楽に没頭したいほど、その場に居心地の悪さを感じているということでありましょう。

 対してオープンカーは走行している状態こそが快。流れる車外の景色に、音も含めたすべてがコンテンツなのであります。対向車線を走る軽トラ、上空を通過するF-15の爆音、牛の鳴き声、男子高校生の破廉恥な会話。その下で音楽を聴くという行為は、冨田勲のサウンドクラウドもかくやと言うべき、全天周型一大音響ページェントなのであります。

 なーんて大仰に言わなくとも、自転車を漕いでいると自然に鼻歌が出てしまうあの感じ。あれと同じ気持ち良さとお考えください。

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