さとうなおきの「週刊アジュール」 第109回
Azure FunctionsでLinuxベースのPremiumプランが利用可能に
Azure Container RegistryがCloud Native Buildpacksをサポート
2019年08月29日 16時00分更新
こんにちは、さとうなおきです。「週刊アジュール」では、2019年7月21日~2019年7月27日の1週間に発表されたMicrosoft Azureの新機能から、筆者の独断と偏見で選んだトピックについて紹介していきます。
Azure Storage:Blob Storageのライフサイクル管理
ストレージサービス「Azure Storage」の一機能「Azure Blob Storage」は、オブジェクトストレージサービスを提供します。
Azure Blob Storageの「ライフサイクル管理」で、Premium Blob Storage、Azure Portalでのウィザードベースのポリシールール管理がサポートされました。
- 更新情報「Premium BLOB で BLOB ライフサイクル管理がサポートされるようになりました」
- 更新情報「Azure Blob ライフサイクル管理は、すべての Azure リージョンで使用できるようになりました。」
Azure Site Recovery:最大8 TBのディスクの保護
Azure Site Recoveryは、様々な環境のVMや物理サーバー間のディザスターリカバリー(DR)/移行サービスです。
Azure Site Recoveryで、保護できるデータディスクの最大サイズが、これまでの1 TBから8 TBに拡張されました。この機能は、マネージドディスクを使うすべてのAzure VMと、マネージドディスクにレプリケートされているすべてのオンプレミスマシンで利用可能です。
Azure Portal:7月のアップデート
Azure Portalは、ウェブベースのAzureの管理コンソールです。
5月のアップデート、6月のアップデートに続いて、Azure Portalの7月のアップデートがまとめられています。主なアップデートは、次の通りです。
- Azure VMのエフェメラルOSディスクの使用
- Windows診断データのAzure Monitorへの送信(プレビュー)
- Azure Security Centerの推奨事項とそれに対応するポリシー名の整合性
- Azure Security Centerでのアダプティブネットワークのセキュリティ強化(GA)
- Azure Security CenterとAzure Advisorとの統合強化
- Azure Firewallでのジャストインタイムアクセス
- Microsoft Intuneに対するアップデート
詳細は、次のページをご覧ください。
Azure Monitor:Logs UIの6月のアップデート
Azure Monitorは、Azureにおけるフルスタックの監視サービスです。
Azure Monitorの一機能であるAzure Monitor Logs(Azure Log Analytics)は、Azureやオンプレミス環境のリソースのログを収集、分析するサービスです。
Azure Monitor Logsの6月のアップデートがまとめられています。主なアップデートは、次の通りです。
- Azure Monitor Logsのダッシュボードピッカー
- Extend、Include、Exclude関数用の新しいグリッドコントロール
- クエリ最適化ツール
詳細は、次のページをご覧ください。
Azure Functions:LinuxベースのPremiumプラン
Azure Functionsは、サーバーレスアーキテクチャのFaaS(関数サービス)です。
4月にパブリックプレビューになっていたAzure FunctionsのPremiumプランで、これまでサポートされていたWindowsに加えて、今回、Linuxがサポートされました。
現時点では、WindowsベースのPremiumプランは、西日本リージョンを含む多数のリージョンで、LinuxベースのPremiumプランは、東日本リージョンを含む一部のリージョンで利用可能です。
Azure Logic Apps:統合サービス環境のDeveloperレベル
Azure Logic Appsは、多数のコネクターを通してビジネスプロセスを自動化するワークフローを開発できる統合プラットフォームサービスです。
Azure Logic Appsの統合サービス環境(ISE)で、既存の本番環境向けのPremiumレベルに加えて、新たに開発環境向けのDeveloperレベルが利用可能になりました。
Developerレベルでは、SLAは提供されず、スケールユニットによるスケーリングがサポートされていません。
Azure Container Registry:ACRタスクのCloud Native Buildpacksサポート
Azure Container Registryは、コンテナーイメージを格納するプライベートレジストリのサービスです。
Azure Container RegistryのACRタスクで、Cloud Native Buildpacksのサポートがプレビューになりました。
Cloud Native Buildpacksを使うと、Dockerfileを定義せずに、アプリケーションのソースコードからコンテナーイメージを作成することができます。
Azure DevOps:スプリント155
Azure DevOpsは、Azure Pipelines(CI/CDパイプライン)、Azure Boards(作業追跡ツール)、Azure Artifacts(パッケージ生成/共有)、Azure Repos(プライベートGitリポジトリ)、Azure Test Plans(テストソリューション)で構成される、開発チーム向けのサービスです。
7月にリリースされていたスプリント154に続いて、Azure DevOpsのスプリント155のアップデートがリリースされました。
スプリント155では、次の新機能があります。
- 新しいAzure Boardsレポート
- Slack向けのAzure Boardsアプリ
- GitHubコラボレーターのAzure DevOpsへの招待
- Azure Artifacts:パッケージをパブリック フィードでパブリックに共有する(プレビュー)
- Azure Pipelines:パイプライン キャッシュ(パブリック プレビュー)
詳細は、次のページをご覧ください。
- 更新情報「新しい分析レポートと Azure Boards アプリが Slack で利用可能になりました」
- ブログポスト「What’s new in Azure DevOps Sprint 155」
- ブログポスト「Get insights into your team’s health with Azure Boards Reports」
- ブログポスト「Announcing the Azure Boards app for Slack」
- ブログポスト「Bring your GitHub collaborators to Azure DevOps」
- ブログポスト「Share packages publicly from Azure Artifacts – Public Preview」
- ブログポスト「Caching and faster artifacts in Azure Pipelines」
- リリースノート
Visual Studio App Center:GitLab.com
Visual Studio App Centerは、iOS、Android、Windows、macOSアプリケーションのビルド、テスト、配布、監視のためのサービスです。
Visual Studio App Centerがサポートするソースリポジトリとして、これまでサポートされていたGitHub、Azure DevOpsのAzure Repos、Bitbucketに加えて、GitLab.comがサポートされました。
Azure Lab Services:パスワードリセット、入れ子になった仮想化など
Azure Lab Servicesは、チーム用の環境(開発/テスト環境、教室ラボ環境)を短時間で提供できるサービスです。
Azure Lab Servicesで、次の新機能がサポートされました。
- パスワードリセットのサポート
- Ubuntuイメージのサポート
- ユーザーあたりのクォータからの無制限オプションの削除
- 「中(入れ子になった仮想化)」VMサイズ
詳細は、次のページをご覧ください。
- 更新情報「Azure Lab Services - パスワードをリセットし、Ubuntu イメージをサポートする機能の追加」
- 更新情報「Azure Lab Services での、ユーザーあたりのクォータからの無制限オプション削除によるコスト削減の支援」
- 更新情報「Azure Lab Services の新しいインスタンス サイズ "中" (入れ子になった仮想化) の提供開始」
Azure SQL Database:SSMS 18.2
Azure SQL Databaseは、SQL Serverベースのリレーショナルデータベースサービスです。
SQL Server Management Studio(SSMS)は、SQL Server、Azure SQL Database、Azure SQL Data Warehouse向けのデータベース開発、運用のための、Windowsで動作するツールです。
6月にリリースされていた18.1に続いて、SQL Server Management Studio 18.2がリリースされました。このリリースでは、IntelliSense、エディターでのデータ分類のサポートなどの新機能があります。
Azure Database for PostgreSQL:PostgreSQL 11
Azure Database for PostgreSQLは、PostgreSQLベースのリレーショナルデータベースサービスです。
Azure Database for PostgreSQLで、PostgreSQL 9.5、9.6、10に加えて、6月にプレビューになっていたPostgreSQL 11のサポートがGA(一般提供)になりました。
Azure Database for MySQL:MySQL 8.0
Azure Database for MySQLは、MySQLベースのリレーショナルデータベースサービスです。
Azure Database for MySQLで、MySQL 5.6、5.7に加えて、MySQL 8.0のサポートがプレビューになりました。
Azure IoT Edge:1.0.8
Azure IoT Edgeは、分析やビジネスロジックをクラウド側ではなくエッジ側で実行できるようにするサービスです。
Azure IoT Edge 1.0.8がリリースされました。次の新機能があります。
- LinuxでのARM64のサポート(プレビュー)
- Azure IoT Edgeデバイスでキャッシュした際の、保存時のモジュールツインの暗号化
- エッジハブからクラウドにメッセージをアップロードする際の、パフォーマンス強化
- ツインの更新をクラウドと同期する際の、信頼性向上
- ARM32の安定性向上
詳細は、次のページをご覧ください。
Azure IoT Edgeデバイス上のコンテナーランタイムを、脆弱性CVE-2018-15664に対処するための更新プログラムが含まれるMobyコンテナーランタイムの新しいバージョン(v3.0.6)に更新することをお勧めします。
Azure IoT Central:位置情報テレメトリ
Azure IoT Centralは、IoTデバイスを接続、監視、管理するためのフルマネージドのSaaSソリューションです。
Azure IoT Centralで、位置情報テレメトリがサポートされました。アセットの追跡、コネクテッドロジスティクスなどのシナリオに活用できます。
Azure Active Directory:アプリケーションプロキシのSAMLサポート
Azure Active Directory(Azure AD)は、ID/アクセス管理機能を提供するサービスです。
Azure Active Directoryのアプリケーションプロキシで、オンプレミスアプリケーションのSAMLベースのシングルサインオンのサポートが、GAになりました。
それでは、また来週。
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