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石川温のPCスマホニュース解説 第48回

クアルコムとの交渉を対等に持っていくためか:

アップルがインテルのモデム事業を買収する本当の理由

2019年07月31日 09時00分更新

文● 石川温

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●Android勢に優位に立ちたいアップル

 一方、インテルとしては、アップルとクアルコムの関係が修復されたことで、モデムチップの大口顧客であったアップルを失うことになった。これにより、事業の採算が取れないということで、スマートフォン向けモデムチップ事業自体から撤退。結果として、事業そのものを売却し、アップルが買収するに至ったのだ。

 アップルとしては、競争が激化するスマホ事業において「自社開発で差別化したい」という狙いがあるのは間違いない。

 ディスプレーやカメラなど見た目で差別化が難しくなっているスマホにおいて、今後、重要な要素となってくるのがチップセットの部分だ。アップルではもともとiPhone向けにSoCを自社設計しており、さらに機械学習などのAIにも対応させている。また、カメラにおいてもISPを自社開発するなど、まるで「下町ロケット」の帝国重工のように「キーテクノロジーの内製化」を急いでいるのだ。

 そんな中で買収したインテルのモデムチップ事業。今後、5G対応での競争が過熱すると見られる中、アップルとしてはモデムチップも自社設計することで、Andorid勢に優位に立ちたいのだろう。

 しかし、このアップルの思惑がどこまで成功するかはかなり不透明だ。

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