最先端の電気自動車
テスラ Model 3が間もなく日本上陸!
ハンドルの先にメーターパネルはなく、代わりにセンターコンソールに大型のディスプレーが目を惹く。まるで近未来SF映画に出てくる自動運転車、または最新のコンセプトカーといった様相だ。しかし、この車が間もなく日本で販売される。アメリカのシリコンバレーで生まれた電気自動車、テスラ「Model 3」。今回、そのテスト車両を都内と神奈川で試乗できたので、その様子をレポートしたい。
テスラ・Model 3は、今までスポーツタイプや大型セダンが主力であった同社としては初となるCセグメントサイズの車両。また価格も米国での販売価格が3万9500ドル(約438万円)と、従来同社プライスの半値に近い設定で、人気が集中したのは新聞やテレビで報じられた通りだ。日本での販売価格は未だ決定していないものの、日本への輸送費や諸経費でプラス100万円はかかるだろうとのことだから、だいたい550万円前後の販売になると思われる。
車種のグレードは3種類。スタンダードモデルのほか、よりバッテリーを積載したロングレンジタイプ、そして四輪駆動のハイパフォーマンスモデルだ。カタログスペックによるとハイパフォーマンスモデルに至っては、0-100km/h加速に相当する0-60マイル加速3.2秒と、R35型GT-Rの2.7秒に肉薄する数字をたたき出す俊足だという。まさに電気自動車ならではの性能だ。
初めてテスラの車両を間近で見た時に思ったのは「エアインテークの少なさ」と共に「カメラやセンサーの多さ」だ。テスラには電気自動車のほか自動運転をウリにしていることはご存じの通り。現時点では車線と車間を監視して巡行する自動運転レベル2相当までだが、すでに車体としては1段階上のレベル3に対応済み。法整備が進み、機能をアクティベートすれば自動運転レベル3に対応するとのことだ。
ちなみにテスラと同様にレベル3レディの車種は現時点でアウディの上級モデルのみだ。このカメラは「ドライブレコーダー」機能としても利用可能。つまり後付けドラレコを搭載する必要がない。どうせカメラを搭載するのだから、ドラレコとしても使えばいいのでは、という合理的な考え方は、実にアメリカらしい。
このアメリカ的合理主義、そして今のアメリカを強く感じるのが運転席からの眺めだ。「ナビ画面をつけるのだから、その他の表示も全部出してしまえばいい」「タッチパネルディスプレーにすれば、車内のボタン類のほとんどが廃せるのではないか」そのように考えたのだろう。普段見かける「車」とは大きく異なる車内空間は、素っ気ないとか違和感ではなく、よい意味での清さ、引き算の美学を感じてしまう。車のグローバル化によって出身国のお国柄をうかがい知ることがなくなり久しいだけに、この個性の強さ、意志の強さに感服した。
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