今年で5歳になる子どもがいます。
いつも怒鳴ってばかりだったわたしが変わったのは、子どもが4歳のころでした。
●幼稚園児あるある「行きたくない!」が始まった
子どもは気が弱いタイプの男の子。幼稚園に行くのをいやがり、毎朝ぐずっていました。
当時は引きずったり抱えたりで、無理やり登園。どんなに泣き叫んでも幼稚園に置いて帰りました。
先生にも子どもにも、いつも罪悪感でいっぱいでした。
毎朝続くイライラに、悶々と悩むわたし。
見かねたママ友が、本を貸してくれました。
ママ友はいつもニコニコ、怒鳴っているところを見たことがありません。きっとここに秘密があるんだ! と、夢中で読みました。
●育児がうまくいっているママ友の秘密
ママ友が貸してくれたのは、モンテッソーリ教育の本で、「育ちを待つ」という考え方。
「無理強いしない、できるようになるまで待つ……」
そんなの無理でしょ! と思うことばかりが書いてあります。
特に新鮮だったのが、こちらの部分。
「子どもは小さい人。上から目線ではなく、一人の人間として、尊敬の気持ちを持って接しましょう」
たとえば友達が座り込んでいる時、無理やり腕を引っぱって、連れていったりしませんよね。
「どうしたの? 具合でもわるい?」と聞くのがふつうです。
子どもに対しても、同じようにしていこう、という考え方に、目からウロコが落ちました。
●「待つ」ができたら、わたしも子どもも安心した
次の日、いつものように、朝からぐずります。
怒鳴りたいのをぐっとこらえ、落ち着いて「そう、行きたくないの」とうなずきました。
いつも不安そうな顔をしている子どもの顔が、なんとなくゆるみます。
また同じようにぐずるのですが、「そうなんだね、行くのがいやなんだね」とうなずいて聞くたびに、だんだんほっとした顔に変わっていきました。
「幼稚園がいやなんだね」と言うと、「ちがう、○○くんがたたいてくる」と言います。
初めて聞いた話で、問いつめたいのをぐっとこらえて、またうなずきました。
「○○くんが、たたくんだね」「うん、痛いからいやなの」
「そうだよね、痛いのはいやだね」「いやだ。だから、行きたくないの」
こんな感じで、今まで話そうとしなかった「幼稚園に行きたくない理由」を教えてくれました。
あとは園にお任せして、ぐずらずに通えるようになりました。
●のんびり待っていても大丈夫
「叱る」とは、目下の者を導くこと。叱ることには、しっかりした上下関係があるのです。
わたしはどうしても、自分が「子どもより上」だとは思えません。
叱っている最中、いつもなんだか落ち着かないなと思ったら、そこだったのか! と気がつきました。
できることなら、「叱る」より、「伝える」ことをしていきたいと思います。
その方が、「となりで見守っているよ」と、おだやかな気持ちでいられる気がします。
トイトレもおはしもあいさつも、ものすごく心配したけど、結局できるようになったんですよね。
あのころは「もうこの子オムツはずれないんじゃない?」と、本気で思ったりしませんでしたか?(私は思いました)
叱る方法はいろいろですが、たまにはのんびり待ってみるのも、いいんじゃないでしょうか。
※筆者による寄稿記事です