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インターネットEDI移行、データのXML化で「入金消込処理」の効率化/自動化を可能に

キヤノンITS、EDIサーバー製品でZEDI連携オプション発売

2019年06月11日 10時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は2019年6月11日、同社のマルチプロトコル対応EDIサーバーを全銀EDIシステム(ZEDI)に対応させる「EDI-Master B2B Gateway ZEDI連携オプション」を発売した。

「EDI-Master B2B Gateway ZEDI連携オプション」の概要。既存の「JX手順(クライアント側)オプション」と組み合わせることでZEDIへの接続が可能になる

 キヤノンITSのEDI-Master B2B Gatewayは、JCAや全銀といったレガシーEDIから流通BMS(JX、ebXML)などのインターネットEDIまで、多回線のEDIを単一システムで統合管理できるマルチプロトコルEDIサーバー製品。2024年のISDN提供終了に向けて必要となる、レガシーEDIとインターネットEDIの並行運用にも適している。動作OSはWindowsおよびLinux。

 今回はこのEDI-Master B2B Gatewayにおいて、新たにZEDIに対応した。すでに販売されている「JX手順(クライアント側)オプション」と組み合わせることで、ZEDIシステムへの接続に必要となる「XML電文作成・変換」「JX手順通信」「クライアント証明書の取得・更新」といった機能が利用できる。

 2018年12月に稼働したZEDIでは、送受信するデータ(電文)形式にXMLを採用しており、従来の全銀システムとは異なり振込データ(金額や口座番号)にさまざまな取引情報(請求書番号、支払通知番号など)も添付できる。これにより、受取企業における「入金消し込み処理」(売掛金と入金額の突合処理)が効率化/省力化され、自動化システムの構築も可能になる。ZEDIの仕組みを使った小売企業での実証実験(2014年)では、それまでの人手による入金消し込み処理と比較しておよそ6割物業務時間削減につながったことが示されている。

全銀EDIシステム(ZEDI)の概要。インターネットEDIとXML形式を採用し、振込データにさまざまな取引情報を添付して送受信できる

 EDI-Master B2B Gateway ZEDI連携オプションの税抜価格は、Windows版4回線までが50万円、Windows版5回線以上が100万円、Linux版が150万円となっている。EDI-Master B2B Gateway、JX手順(クライアント側)オプションの購入が別途必要。キヤノンITSでは、発売後3年間で50社の導入を目標としている。

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