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既存EDIシステムも無改修で対応、「全銀協標準通信プロトコル(TCP/IP手順・広域IP網)」2製品

キヤノンITS、ISDN終了に向けインターネットEDI対応製品発売

2018年06月05日 10時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は2018年6月5日、EDIソフトウェア「EDI-Masterシリーズ」において、「全銀協標準通信プロトコル(TCP/IP手順・広域IP網)」に対応した2製品を発表した。2024年1月のINSネットデジタル通信モード(ISDN)提供終了を控え、既存EDIシステムに改修を加えることなくインターネットEDIに対応できる製品を提供する。

「EDI-Master B2B TLS Accelerator」の概要。既存EDIシステムに手を加えることなく、移行期には従来方式(全銀TCP/IP手順)も併用できる

 NTT東日本/NTT西日本は昨年、公衆交換電話網(PSTN)のIPネットワーク移行に伴い、2024年1月にISDNサービスの提供を終了すると発表した。これにより、金融、製造、流通小売などの業界で従来「全銀手順」や「全銀TCP/IP手順」などISDNを使って通信を行っていたEDIに関しては、IP網での通信に対応したインターネットEDIへの移行が必要となる。全国銀行協会(全銀協)では昨年5月、インターネットEDIに対応した全銀協標準通信プロトコル(TCP/IP手順・広域IP網)を制定している。

 今回キヤノンITSでは、この全銀協標準通信プロトコル(TCP/IP手順・広域IP網)に対応した「EDI-Master B2B for BANK TCP/IP-Client Ver.9」および「EDI-Master B2B TLS Accelerator」を発表した。

 EDI-Master B2B for BANK TCP/IP-Clientは、多数の実績を持つ全銀TCP/IP手順に対応したクライアント製品で、今回の最新版で上述の全銀協インターネットEDIプロトコルにも対応した。標準価格(税抜)は7万8000円で、6月29日から販売を開始する。

 EDI-Master B2B TLS Acceleratorは、従来の全銀TCP/IPプロトコルと新しい全銀協インターネットEDIプロトコルを、プロキシサーバーとして仲介する製品。既存の全銀TCP/IP対応EDIシステム(サーバー)に改修を加えることなくインターネットEDIに対応させることができる。またクライアント側、同一筐体での稼働にも対応する。

 EDI-Master B2B TLS Acceleratorを企業ネットワークのDMZに配置することにより、インターネット接続によるセキュリティリスクも低減できる。また同製品は、全銀TCP/IP手順だけでなくHTTPやメールプロトコル(POP3、SMTP、IMAP4など)のSSL/TLS暗号化にも対応する。標準価格はWindows版が20万円から、Linux版が60万円からで、6月5日から販売を開始する。

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