連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第155回
IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 10月13日~10月18日
IT系学生の就活人気トップは「LINEヤフー」、物価上昇に対する賃上げ評価は「あまり見合っていない」が最多、ほか
2024年10月21日 08時00分更新
本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。
今回(2024年10月13日~10月18日)は、ITエンジニア学生に聞いた就活人気企業ランキング、日本の労働生産性や賃上げ状況に対する意識、実測データで見る在宅勤務の頻度と身体活動量、国内ITインフラサービス市場規模についてのデータを紹介します。
[仕事]ITエンジニア学生の就職人気トップは「LINEヤフー」、評価ポイントは?(10月15日、サポーターズ)
・2026年卒のITエンジニア学生が入社したい企業、トップは「LINEヤフー」
・2位は「NTTデータグループ」、ハイクラス学生は「ディー・エヌ・エー」
・IT以外の産業がIT人材を獲得するための課題は「待遇」「成長できる環境」
ITエンジニア就活支援サービス「サポーターズ」が、2026年卒業予定のエンジニア学生を対象とした「就活人気企業ランキング」を発表した。回答件数は223。前年4位だった「LINEヤフー」が1位に。理由としては「インターンシップの充実」「事業内容」などと分析している。なお、日本はIT人材の7割がIT産業に集中していることがDX推進をはばむ課題と言われるが、サポーターズではその偏りが起きる原因として「待遇」「成長しやすい環境」「採用広報」などを指摘している。
[働き方]日本の低い労働生産性に71%が「危機感」(10月11日、日本生産性本部)
・日本の労働生産性が低迷する現状に「危機感がある」71%
・しかし、近年の自社の労働生産性は「変わらない」44%が最多
・物価上昇に対する賃上げへの評価「あまり見合っていない」が全役職で最多
ビジネスパーソン約3000人を対象とした「第3回 生産性課題に関するビジネスパーソンの意識調査」より。日本の労働生産性はG7で最下位、OECD 38カ国中で30位にまで落ち込んでいる。この現状に「危機感がある」としたのは71%で、昨年の調査より4ポイント増えた。また、物価上昇に対する賃上げへの評価は、全役職で「あまり見合っていない」が最多で3割前後を占める。一方、経営層では「ほとんど見合っていない」という評価が1割程度にとどまるのに対し、管理職や非管理職では3割程度とギャップも見られる。
[働き方]在宅勤務で活動量低下が顕著な人は「女性」「40歳以上」「営業職」など(10月17日、明治安田厚生事業団)
・「週5日以上在宅」は1日の平均歩数が「在宅勤務なし」の半分以下
・在宅勤務で活動量の低下が大きいグループは「女性」「40歳以上」「営業職」など
・1日に座る平均時間は「在宅勤務」なしが584分、「週5日以上在宅」は657分
首都圏在住の勤労者1133人を対象に、活動量計による実測データを用いて「在宅勤務の頻度」と「活動量」の関係を調査した。当然ながら「在宅勤務の頻度」と「座位行動時間(座って作業する時間)」や「歩数」には相関関係が見られるが、特に活動量の低下が顕著だったのは「女性」「40歳以上」「営業職」「高校卒以下」「運動や食習慣の改善に対して無関心」などのグループだったという。
[ITインフラサービス]国内ITインフラサービスは年平均3.5%で緩やかに成長(10月15日、IDC Japan)
・2023年の国内ITインフラサービス市場は2兆699億円
・2023~2028年の年平均成長率(CAGR)は3.5%
・サービスプロバイダ向けのサービスがCAGR 11.3%と高い伸びを予想
ITインフラ(サーバー/ストレージ/ネットワークなど)に関する、コンサルティング/設計/構築/運用/保守サービスの市場規模予測。国内の同市場は、2023年の2兆699億円から2028年の2兆4619億円へ、CAGR 3.5%でゆるやかに成長する見込み。一般企業(エンタープライズ)がクラウドサービスの利用を進める一方、サービスプロバイダはユーザー数の増加に対応するためITインフラ支出を拡大させており、ITインフラサービスの需要も大きくなると予測している。なお、トレンドとして注目される「AIサーバー(GPUサーバー)」は、導入時に特別なインフラ設計が必要となるものの、現時点では「ITインフラサービス市場の成長率を大きく押し上げる可能性は低い」としている。
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