いよいよ来週開催、WWDC 2019で期待していること:
アップルは古いiPhoneをいつまでサポートするのか
2019年05月28日 16時00分更新
●「iPhone長持ち」いつまで続く?
アップルはiOS 12で、2013年に発売された5年前のiPhone 5sをサポートしました。拡張現実アプリを実現するAR KitはA9プロセッサを搭載する2015年のiPhone 6s以降でのみの対応でしたが、AR Kit以外のほとんどのアプリを、最新のAPIで作成しても、過去のiPhoneで動作する点は、iPhoneの大きなアドバンテージでした。
今年登場する最新のiOSが、どのiPhoneまでサポートするのかは、新型iPhoneの買い替え需要、中古市場の動向、そしてこれらの合算として現れてくるアクティブインストールベースの推移にも影響を与えてきます。
機能を限定しながら、引き続きiPhone 5sのサポートを続けるのか。その場合、既存のインストールベースを維持しながら、ユーザーの上積みを加速させることができるかもしれません。昨年9月のiPhone発表会で「長持ち」をiPhoneの性能に入れており、この発表を守ることにもなります。
Macは近年、OSのアップグレードごとにアプリ起動などの高速化が行われており、また昨年のiOS 12でもプロセッサの効率的な活用に触れ、AシリーズチップとOSの双方を内製するAppleならでは、「古いデバイスの蘇り」を披露しました。
あるいはスマホ飽和市場における販売促進と、iPhoneの現役世代の性能を引き上げるため、A9プロセッサを搭載するiPhone 6s・iPhone SE、あるいは効率コアと性能コアを持つA10 Fusion搭載のiPhone 7まで世代を引き上げるのか。
興味深い判断になるのではないでしょうか。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
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