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Facebook 初代CTO、信頼と投票そしてAIで本物の知識を

Quora創設者に聞く、「ネット上の知識はまだ不完全」

2019年05月13日 09時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura 編集●ASCII

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QuoraのAI開発、質問と答えの形式は「むしろ難しい」

 プラットホームにはたくさんの人と情報が集まります。これを有効活用するための手段として、機械学習の活用が現在のトレンドとなっており、Quoraにとっても例外ではありません。

AI技術の活用による適切な回答の提示がQuoraの持ち味だ。

 「サービスの至る所で、機械学習を活用しています。例えば、重複した質問の検出、スパムの発見などです。また回答の善し悪しを判断したり、誰がその質問に答えるのが最適か、あるいはパーソナライゼーションのために活用しています。

 100以上の異なるシグナルを用い、質問に何の言語が使われているのか、どこに住んでいる人の質問なのか、話題と質問の関係性、知識同士の関係性などを見出すためにも活用しています」(ディアンジェロ氏)

 Quoraでは、質問と答えの形式で投稿が整理されています。そのため、一般的な文章に比べて、機械学習の精度を高めやすいのではないか、とディアンジェロ氏に質問してみましたが、「むしろ逆だ」との答えが返ってきました。

 「質問と答えの形式は、むしろ難しさが増している側面があります。一般的な文章に比べて、世の中に存在している分量が圧倒的に少なく、記事に対する読者の反応に比べ、質問への回答に対する読者の反応のシグナルが寄り少なくなっているからです。より難しいと思います」(ディアンジェロ氏)

OpenAIのウェブサイト

https://openai.com/

 ちなみにディアンジェロ氏は、非営利団体OpenAIのボードメンバーも務めています。人工知能が、人類に害をもたらさず、有益に機能し、かつオープンソースで推進していくのがOpenAIです。Teslaのイーロン・マスク氏が長年サポートしてきたことで知られ、LinkedInの共同創業者、リード・ホフマン氏のチャリティーファンドによる投資も受けています。サンフランシスコのAI界隈では重要な存在となっています。

マネタイズを急がない

 Quoraは世界ですでに3億人以上のユーザーを獲得しているプラットホームですが、他のサービスと異なるユニークな点は、マネタイズを急がなかったことです。米国ではサービス開始後5年たってやっと、質問と回答のページへのキーワード広告の販売を開始しました。

 「企業が製品に関する質問を広告として買い、ユーザーに見つけてもらえるようにしています。ただし、マネタイズは急ぎません。日本語版のQuoraではまだ広告ビジネスを開始していません。しばらく先になります。また、新しいサービスであるスペースについても、先行して公開している米国ではまだマネタイズを行っていません。

 今後スペースでのマネタイズについて考えていくことになりますが、スペースによってQuoraの利用率が上がることにつながるため、相乗効果が生み出されるでしょう」(ディアンジェロ氏)

 マネタイズの前に、情報と知識の質を追求する姿勢を崩さないのがQuoraの一貫した姿勢と言えます。信頼感は金銭的な価値では代えられないし、良質な情報を生み出すコミュニティもお金では買えないという考えが透けて見えます。

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