2021年までのCPUロードマップがリーク
さて、最後に眉唾ものの話を1つしよう。4月24日、ドイツのTweakers.netが、2021年までのインテルのCPUロードマップがリークされたとして公開、これをいくつかの情報系サイトが取り上げた。リーク画像は掲載しないが、このロードマップによれば、以下のことがわかる。
- デスクトップ向けには2019年第4四半期にComet Lake(14nmプロセスで最大10core)が投入され、2020年いっぱいはこのComet Lakeがカバーする。Coffee Lake-Sは2020年第3四半期まで併売。
- HEDT向けにはCascade Lake-X(14nmプロセス、最大18core)が2019年第3四半期に投入される。
- Xeon向けにはCascade Lake Refresh SPが2020年第1四半期に投入される(引き続き14nm)。
- モバイル向けにはComet Lakeが2020年第2四半期に投入される(14nmプロセス、最大10core)。これに続き、2021年第2四半期にはRocket Lake(14nmプロセス)とTiger Lake(10nmプロセス)が投入予定。
要するに2021年後半にならないと10nmプロセス製品が出荷されないという、事実ならばなかなかショッキングな話である。ただ筆者はこのロードマップはフェイクだと考えている。
いや、これが事実ならインテルは急速にシェアを落とし、AMDとさして変わらない、あるいはAMDに逆転されかねない売上になるだろう。
加えて言えば、連載回で解説したAuroraの構築に失敗しかねないし、先日インテルが発表したCXL(Compute Express Link)も相当実装が先送りになりかねない。なにより、決算発表で説明した内容が全部嘘になる。さすがにそれはないだろう、というのが筆者の判断である。
ちなみに最近インテルはコード名一覧ページは出荷済製品のみになっており、未発表製品については非公開(これを知るには秘密保持契約が必要)になっている。
したがって、Comet Lake/Rocket Lake/Tiger Lakeがあるか否かのレベルで不明なのだが、少なくともこれまでまったく聞いたことがないコード名である。おそらく手の込んだ悪戯、というあたりではないかと思う。

この連載の記事
-
第811回
PC
Panther Lakeを2025年後半、Nova Lakeを2026年に投入 インテル CPUロードマップ -
第810回
PC
2nmプロセスのN2がTSMCで今年量産開始 IEDM 2024レポート -
第809回
PC
銅配線をルテニウム配線に変えると抵抗を25%削減できる IEDM 2024レポート -
第808回
PC
酸化ハフニウム(HfO2)でフィンをカバーすると性能が改善、TMD半導体の実現に近づく IEDM 2024レポート -
第807回
PC
Core Ultra 200H/U/Sをあえて組み込み向けに投入するのはあの強敵に対抗するため インテル CPUロードマップ -
第806回
PC
トランジスタ最先端! RibbonFETに最適なゲート長とフィン厚が判明 IEDM 2024レポート -
第805回
PC
1万5000以上のチップレットを数分で構築する新技法SLTは従来比で100倍以上早い! IEDM 2024レポート -
第804回
PC
AI向けシステムの課題は電力とメモリーの膨大な消費量 IEDM 2024レポート -
第803回
PC
トランジスタの当面の目標は電圧を0.3V未満に抑えつつ動作効率を5倍以上に引き上げること IEDM 2024レポート -
第802回
PC
16年間に渡り不可欠な存在であったISA Bus 消え去ったI/F史 -
第801回
PC
光インターコネクトで信号伝送の高速化を狙うインテル Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU - この連載の一覧へ