前回はインテルのGPU周りの話だったので、今週はCPU周りのロードマップをお伝えしよう。前回の製品ロードマップが連載482回だったので、その後のアップデートから始めたい。
在庫切れが長く続いた
Core i9-9900K
まず「Core i9-9900K」であるが、当初こそ入手難などの問題はあったものの、一応それなり(潤沢とは言えないものの在庫切れが長く続いたりはしない程度)に無事流通を始めている。
これに続き、Core-Xシリーズ向けに「Core i9-9800X」から「Core i9-9980XE」までの7製品が、公式には2018年末に出荷開始となった(流通が始まったのは2019年1月に入ってから)。
筆者はCascade Lakeをベースとした製品になると予測していたのだが、蓋をあけてみると引き続きSkylake-SPをベースとした製品であった。
下表に、前モデルである7000シリーズと現モデルである9000シリーズをコア数別にまとめてみたが、基本的には価格を据え置きにしたまま、動作周波数をBaseで2~4bin、Turbo/Turbo 3.0で1~2binほど引き上げた製品となっている。
7000シリーズと9000シリーズの比較表 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
コア数 | 製品名 | 動作周波数(GHz) | 3次キャッシュ(MB) | PCIe 3.0 レーン数 |
TDP(W) | Tjunction(℃) | 推奨小売価格($) | ||
Base | Turbo | Turbo 3.0 | |||||||
8 | i7-7820X | 3.6 | 4.3 | 4.5 | 11.00 | 28 | 140 | 99 | 589~599 |
i7-9800X | 3.8 | 4.3 | 4.5 | 16.50 | 44 | 165 | 95 | 589~599 | |
10 | i9-7900X | 3.3 | 4.3 | 4.5 | 13.75 | 44 | 140 | 95 | 989~999 |
i9-9820X | 3.3 | 4.1 | 4.2 | 16.50 | 44 | 165 | 92 | 889~899 | |
i9-9900X | 3.5 | 4.4 | 4.5 | 19.25 | 44 | 165 | 92 | 989~999 | |
12 | i9-7920X | 2.9 | 4.3 | 4.4 | 16.50 | 44 | 140 | 95 | 1189~1199 |
i9-9920X | 3.5 | 4.4 | 4.5 | 19.25 | 44 | 165 | 92 | 1189~1199 | |
14 | i9-7940X | 3.1 | 4.3 | 4.4 | 19.25 | 44 | 165 | 102 | 1387~1399 |
i9-9940X | 3.3 | 4.4 | 4.5 | 19.25 | 44 | 165 | 88 | 1387~1399 | |
16 | i9-7960X | 2.8 | 4.2 | 4.4 | 22.00 | 44 | 165 | 98 | 1684~1699 |
i9-9960X | 3.1 | 4.4 | 4.5 | 22.00 | 44 | 165 | 85 | 1684~1699 | |
18 | i9-7980XE | 2.6 | 4.2 | 4.4 | 24.75 | 44 | 165 | 94 | 1979~1999 |
i9-9980XE | 3.0 | 4.4 | 4.5 | 24.75 | 44 | 165 | 84 | 1979~1999 |
ただ消費電力は全製品で165Wになったほか、14コア以上ではジャンクション温度(Tjunction)が80度台に引き下げされたため、より冷却には気を付けないといけなくなった。
![](/img/blank.gif)
この連載の記事
-
第810回
PC
2nmプロセスのN2がTSMCで今年量産開始 IEDM 2024レポート -
第809回
PC
銅配線をルテニウム配線に変えると抵抗を25%削減できる IEDM 2024レポート -
第808回
PC
酸化ハフニウム(HfO2)でフィンをカバーすると性能が改善、TMD半導体の実現に近づく IEDM 2024レポート -
第807回
PC
Core Ultra 200H/U/Sをあえて組み込み向けに投入するのはあの強敵に対抗するため インテル CPUロードマップ -
第806回
PC
トランジスタ最先端! RibbonFETに最適なゲート長とフィン厚が判明 IEDM 2024レポート -
第805回
PC
1万5000以上のチップレットを数分で構築する新技法SLTは従来比で100倍以上早い! IEDM 2024レポート -
第804回
PC
AI向けシステムの課題は電力とメモリーの膨大な消費量 IEDM 2024レポート -
第803回
PC
トランジスタの当面の目標は電圧を0.3V未満に抑えつつ動作効率を5倍以上に引き上げること IEDM 2024レポート -
第802回
PC
16年間に渡り不可欠な存在であったISA Bus 消え去ったI/F史 -
第801回
PC
光インターコネクトで信号伝送の高速化を狙うインテル Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第800回
PC
プロセッサーから直接イーサネット信号を出せるBroadcomのCPO Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU - この連載の一覧へ