自動車のイベントに行くと、四輪駆動車が45度の坂を登坂するデモンストレーションをしている企業がある。そう、三菱自動車だ。一般生活において45度の急坂を登ることはないものの、筆者はその姿を見る度に感心している。
そのデモンストレーションを見る度に、筆者はミニバンである「デリカD:5」が45度の坂を登坂する姿に驚くとともに、はたしてミニバンにそのような機能は必要なのか? という疑問も感じていた。そしてデリカD:5に対する関心は、この写真を見る度に増していった。いったいどんな車なのかと。この春、デリカD:5がビッグマイナーチェンジをしたので、さっそく試乗して、その正体を探ってきた。
日本で独自の進化を遂げた
ミニバンというジャンル
家族や大切な仲間と移動するのに便利なミニバンであるが、実は日本独自のジャンルで、他社も含めてほとんどが国内専売車種である。軽自動車と共にガラパゴス的進化を遂げたジャンルで、日本で使うためにピッタリの大きさ・使い勝手として、攻めた設計ができる。ミニバンは各社から登場している売れ線のジャンルなわけだが、その中でも三菱自動車のデリカD:5はかなり異質な存在に見える。歴代モデルを見ると、どうしてもSUVというか、クロカンのテイストが強いからだ。
今回ビッグマイナーチェンジしたデリカD:5は、ディーゼルエンジン搭載モデル。ガソリンエンジン搭載車は現状維持だ。その中で話題なのが、強烈な個性を放つフロントマスク。写真の白いモデル「アーバンギア」グレードは「深剃り4枚刃」、チャコールグレーの「標準」モデルも「電気シェーバー」とネットで揶揄されている。
その対象となっている「ダイナミックシールド」であるが、最初写真で見た時はあまりの変貌ぶりにギョッとしたものの、実物を見るとかなりイケている。逆に撮影した写真を見て「ここまでかっこ悪くないんだけど」と自分の撮影技量のなさに申し訳なくなるほどだ。
もっとも、最近の自動車業界の傾向として、どれも大胆な顔つきになってきているので、しばらくすれば見慣れることだろう。ちなみに、このダイナミックシールドだが、今後登場する同社のモデルにも採用される予定だ。
この連載の記事
-
第483回
自動車
【ミニバン売れ筋対決】ホンダ「フリード」とトヨタ「シエンタ」の良いところと微妙なところ -
第482回
自動車
これがBMWの未来! フラッグシップEVの「iX」は乗り心地良すぎで動くファーストクラス -
第481回
自動車
アルファ・ロメオのハイブリッドSUV「トナーレ」はキビキビ走って良い意味で「らしく」ない -
第480回
自動車
独特なデザインが目立つルノーのクーペSUV「アルカナ E-TECH エンジニアード」はアイドルも納得の走り -
第479回
自動車
レクサスのエントリーSUV「LBX」は細部の徹底作り込みで高級ブランドの世界観を体現した -
第478回
自動車
レクサスの高級オープン「LC500 コンバーチブル」は快適さのその先を教えてくれる -
第477回
自動車
BMWの都市型SUV「X4」は直6エンジンならではのパワフルな走りがキモチイイ! -
第476回
自動車
最新のマツダ「ロードスター」は乗った誰もが乗り換えを検討するレベルのデキの良さ -
第475回
自動車
EV=無個性ではない! BMWのEV「iX3」は剛性ボディーが魅力のミドルサイズSUV -
第474回
自動車
ルノーのコンパクトカー「ルーテシア E-TECH エンジニアード」は軽量でパワフルでスポーティー! -
第473回
自動車
ホンダの大人気ミニバン「FREED」に乗ってわかった5つの良くなったポイント - この連載の一覧へ