このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第32回

ジョブズ時代から変わらずに続けてきたことがある:

アップルが「GAFA」から抜けたがる理由

2019年03月08日 16時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

●iPhone 3GSからの取り組み

 アップルは個人の情報をできるだけiPhoneから出さずに処理する方針をとっています。iPhone Xからニューラルエンジンを搭載し、個人情報を大量に使用する機械学習もiPhoneの中でできるようにしました。

 しかし、デバイス内で処理しようという方針は、実は2009年発売のiPhone 3GSから始まっていたそうです。ハードウェアで情報を暗号化するためにはどうすれば良いかというアプローチからスタートしており、2010年のiPhone 4で搭載するチップを自社設計に変更してから、取り組みは加速します。

 アップルのソフトウェアエンジニアはシリコンチップのチームと連携し、目的特化型ハードウェアを盛り込むようにすることで、デバイス内の処理の比率を増やしても、バッテリー持続時間に影響しないよう配慮するようになりました。

 アップルはスティーブ・ジョブズ時代からプライバシーに関して取り組んでいます。問題が大きくなった昨今に始まったことではありません。そのためアップルは「GAFAと束ねられることは本望ではない」という意思表示を始めているのでしょう。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン