心臓移植の代替え製品開発を目指す
心不全の治療として心臓移植を必要とする重症患者は20~30万人いると言われているが、実際に移植できているのは年間40~50人となっている。これを解決するためiheart Japanでは、iPS細胞から細胞シートを作成、心臓移植の代替製品となるよう、開発を進めている。
iheart Japanが開発しているGHM(ゼラチン・ハイドロゲル粒子)は心筋細胞、間質細胞、内皮細胞の3種類の細胞シートを作成し活用する。従来の移植細胞では時間が経つと消えてしまっていたが、ゼラチンを使うことによって長く残ることを、心筋梗塞を起こしたラットでの実験で証明しており、従来では1週間でなくなっていたが、12週まで観察しても残っていることが判明しているという。
抗ウイルス薬を開発し、子宮頸がんを前がん状態で直す
アジア、アフリカ、ラテンアメリカなどで増加傾向にある子宮頸がん。ヒトパピローマウイルスによる感染症で起こるこのがんは、若い女性での前癌状態(放置するとがんができる確率が高い)の症例が増えており、その期間も長い。そして前癌状態では治療薬がまったくないのが現状だ。
がんの病状が進捗した場合にはじめて外科手術となり、そうしないと直らないこの子宮頸がんについて、キノファーマは前癌状態に対する薬を開発、膣錠によってウイルスをなくす取り組みを進めている。現在はヒトパピローマウイルスに取り組んでいるが、DNAウイルスであれば幅広く効果が見込めるとしている。