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再生医療の実用化を目指す「RINK FESTIVAL 2019」でバイオベンチャーピッチ開催

2019年03月01日 16時00分更新

文● MOVIEW 清水 編集●北島幹雄/ASCII STARTUP 撮影●平原克彦

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制御性T細胞を使った、自己細胞療法を臨床利用

 病気に関する研究は多く進められているが、自己免疫疾患については十分な治療法がない疾患も多い。レグセルでは、自己免疫疾患を起こしている細胞と使って免疫抑制を行なって治療する方法に取り組んでいる。

 免疫の暴走を止めるための制御性T細胞を増やし、患者に投与することでバランスが崩れて起こる免疫疾患を治療する。遺伝子操作などがないため期間を短く、少ない費用で治療できるという。

レグセル 事業開発部長 松岡靖史氏

制御性T細胞の働き

制御性T細胞による治療で、短い期間で費用を少なく治療が行なえる

サイボーグの体を支える臓器設計

 『攻殻機動隊』に登場するようなサイボーグ技術において、人工的に作れない肝臓などをどのように実現するかを考えた際、細胞で作ればいいのではないかという研究を進めているのが横浜市立大学小島伸彦研究室。今後は細胞の塊であるスフェロイドの内部構造を制御する技術を使って、創薬や移植に特化した臓器デザインの開発に取り組むとのことだ。

横浜市立大学小島伸彦研究室 横浜市立大学 大学院 生命ナノシステム科学研究科 准教授 小島伸彦氏

細胞を使った人工肝臓を作る研究を創薬に応用する

ブタ由来の移植では免疫の問題が生じ、カプセルで埋め込むので長持ちしないが、隙間をあけることで長持ちすることがわかった

ゲストコメンテーターによる総評

 本イベントでは、ゲストコメンテーターがピッチに対して質問などを行ない、鋭い質問やビジネス観点での意見などを登壇者に投げかけていた。ゲストコメンテーターは下記の方々。

フロネシステム・代表/株式会社東レ経営研究所・特別研究員 成戸昌信
エムスリーアイ株式会社 代表取締役 梅田和弘
ニッセイ・キャピタル株式会社 シニアベンチャーキャピタリスト 井本潤一
株式会社アドライト 代表取締役 木村忠昭
Beyond Next Ventures 株式会社 マネージャー 盛島真由
慶應義塾大学 ウェルビーイングリサーチセンター オーガナイザー 服部惠子
神戸市 医療・新産業本部 医療産業都市部 誘致課 松浦亮太

 この中で梅田氏と成戸氏が最後にピッチの総評を行なった。成戸氏は「うまくいかないベンチャーはサイエンスを甘く見ていることあり、ビジネスにうまくつなげられていない。映画のプロデューサーのように、技術、ビジネスをすべてわかっているプロデューサーがベンチャーには必要。こうしたイベントで人と対話するところからイノベーションを作ってほしい」とコメント。

 梅田氏は250名を超える今回イベントに集まった関係者に対して、「ベンチャーでリスクになるのは人材で、探すのに時間がかかる。薬事や製造、販売といった人材のデータバンクを作り、ベンチャーが困ったときにアサインできるような仕組みができるのではないか」と提案し、ピッチが終了した。

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