親なら知っておきたい人気スマホアプリの裏側と安全設定 第4回
消える動画をスマホで保存してしまう方法も
狙った相手に投稿したつもりが……「バカスタグラム」で人生棒に振る前に
2019年02月26日 09時00分更新
バイト炎上事件で親世代も存在を知ったInstagramストーリーズ
Instagramストーリーズをご存知だろうか。24時間で消えるInstagramの動画共有機能だ。フォロー中のアカウントのストーリーズはInstagramホーム上部に掲載される。
女子大生たちはストーリーズをどのように使っているのか。実態とリスクについて見ていきたい。
「気楽に載せられる」で10代に人気
ストーリーズのデイリーアクティブユーザー数は、2017年には3億人を超えており、ストーリーズの人気のおかげでInstagramの利用時間も伸びていると言われている。
この傾向は日本でも同様だ。ジャストシステムの「動画&動画広告月次定点調査(2018年9月度)」でも、10代のストーリーズ利用率は、2017年5月度の37.2%から65.5%と6割以上にまで伸びていることがわかっている。
「インスタは『これは!』という写真しか載せられないけど、ストーリーズなら気楽に投稿できる」と、ある女子大生は言う。Instagramに載せるなら“インスタ映え”写真でなければいけないという意識があり、投稿できない写真が多かったそうだ。
ストーリーズには、主に「今晩こんなご飯を作ったよ」「今、こんな授業を受けてる」など、リアルタイムな投稿をしている。「今この場所にいるよとか投稿したり、友だちの間でアンケートを取ったりすることもある」という。
「会話のきっかけとして投稿」も
「最近多いのは、コミュニケーションしたいという相手を狙って投稿することかな」と件の女子大生は言う。
ストーリーズを再生中に下の飛行機マークをタップし、シェアする相手を選ぶと、ストーリーズと紐付いた状態で相手とメッセージできるようになる。その上LINEとInstagramはつながる相手が違う場合も多いため、「Instagram上の話題をするときはInstagramのメッセージが便利」なのだ。そこであえてLINEを使うことはないという。
「この授業に出てます」と投稿したときは、それを見た友だちの一人から「私も同じ授業にいるよ!」という連絡があり、合流できたそうだ。また、「このメンツで遊んでる」と投稿したときは、別の友だちから「私もこの子と友だち。今度一緒に遊ぼう」という連絡がきて、実際に一緒に遊べたという。
「狙った男子の好きそうな話題をあえてストーリーズで投稿して、DMをもらってコミュニケーションのきっかけにしたりすることもある」。女子大生たちは、ストーリーズやInstagramのメッセージをコミュニケーションにうまく活用しているというわけだ。
炎上する理由は「消えるけれど保存できる」から
一方、ストーリーズは消えるので、油断してつい問題ある動画を投稿してしまっている人は多い。これまでにもTwitterなどでフォロワーからシェアされてしまい、炎上した事件は多数起きている。
最近、学生バイトがSNSに不適切な投稿をすることによる「バイトテロ」問題が多数起きたが、そのうち複数がストーリーズに投稿した動画が元で炎上が起きていた。Twitterで起きるのがいわゆるバカッターだが、Instagramで起きるので「バカスタグラム」と言われたりもしている。
ストーリーズも、iOSの画面録画機能などを使えば容易に残せるし、Twitterなどでもシェアできてしまう。iPhoneの「設定」→「コントロールセンター」→「コントロールをカスタマイズ」→「画面収録」前の+マークをタップで、コントロールセンターに画面収録ボタンが表示される。ボタンを押した後にストーリーズを再生すれば録画できてしまうのだ。
動画で顔出しなどをしていると容易に個人が特定されてしまい、炎上につながって一生を棒に振りかねない。くれぐれも問題あることは投稿しないことは忘れずに利用したい。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
■Amazon.co.jpで購入
Twitter広告運用ガイド高橋 暁子(著)翔泳社

この連載の記事
-
第350回
デジタル
JKの6割はチャッピー(ChatGPT)に恋愛相談経験あり -
第349回
デジタル
あなたの投稿も使われる! Grokの学習を拒否する設定方法教えます -
第348回
デジタル
生成AIのファクトチェックは5割強!? 「AIはアシスタントで自分はその●●」と考えて利用すべし -
第347回
デジタル
依存にならないスマホ制限方法を紹介! でも必ず抜け道があるので「子どものやる気」が必須 -
第346回
デジタル
LINEリニューアルの変更点を徹底紹介! 「LINE VOOM」が「ショッピング」に!? -
第345回
デジタル
すでにテレビCMは1割! 大学生・大学院生はSNSとYouTubeで広告を見ている -
第344回
デジタル
情報収集のX、暇つぶしのTikTok、有名人・知人の動向はインスタ -
第343回
デジタル
スマホ故障に備えてLINEのトーク履歴を自動バックアップする設定を覚えよう -
第342回
デジタル
動画系SNSは新聞より陰謀論にはまりやすくなる傾向あり -
第341回
デジタル
すでに5人に1人が生成AIで検索中! 10代ではChatGPTがYahoo!より使われている -
第340回
デジタル
LINEで過去のトークを簡単に検索する方法を画面付きで紹介 - この連載の一覧へ












