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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第28回

トランプの曲げないゴール:

アップルが「米国製iPhone」を出す日は来るか

2019年02月07日 16時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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●米国ではネジすら作れない?

 「小さなネジが、なぜiPhoneが米国で組み立てられないのかをあらわしている」という記事です。

 2012年にティム・クックCEOは、Mac Proを米国内で製造することを発表しました。これまでアップル製品には「Designed in California, Assembled in China」と書かれていましたが、このAssembled(組み立て)の国がUSAになると話題になりました。ところが工場では、Mac Proに用いるネジを米国内から見つけることに難儀したというのです。

 中国ではカスタマイズされたネジであっても、短い期間で十分な数を作って調達することが容易です。しかし米国ではそれができなかったというわけです。Mac Proの出荷が遅れたのは、他にも問題がありましたが、ネジが足りないことが理由の1つだったとThe New York Timesは指摘しています。

 アップルは年間2億台のiPhoneを製造してきました。米国向けだけでも5000〜8000万台の製造能力は確保しなければなりません。ネジの不足に悩む米国でこれを実現できるとは到底思えないわけです。しかもMac Proは2013年からの5年間アップデートされていませんが、iPhoneは毎年アップデートされています。

 アップルは、現実と、トランプ大統領の曲げないゴールに、どう折り合いを付けていくのか、非常に興味のあるテーマです。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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