さらばHDD、データドライブもSSDで運用する時代へようこそ
6TBでも9.3万円!SSD「860 QVO」6台でRAID 0を組んでみた
2019年01月25日 11時00分更新
ここ1年でSATA 3.0接続SSDがすさまじい勢いで安くなってきている。4万円以上が当たり前だった1TBクラスも現在では2万円を切るモデルがゴロゴロある。というのも、実装面積あたりの容量が多いTLC NANDの採用が普及し、SSDの部材コストそのものが下がってきたおかげだ。
最近ではTLC NANDよりも実装面積あたりの容量が多いQLC NANDを採用するモデルも登場してきたので、この先TBクラスの低価格化はさらに進むだろう。そんな中、SamsungからQLC NAND(同社ではSamsung 4bit MLC V-NANDと呼称)を採用したSATA 3.0接続のSSD「860 QVO」が登場した。
容量は1TB(MZ-76Q1T0B/IT)、2TB(MZ-76Q2T0B/IT)、4TB(MZ-76Q4T0B/IT)の3モデルで、1月25日から順次発売されているが、すでにASCII.jpではレビューを掲載しているので詳しい性能はそちらの記事を参照してほしい。税込みの実売価格は1TBモデルが1万5500円前後、2TBモデルが3万5500円前後、4TBモデルが7万1000円前後とのことで、同社の860 EVOシリーズと比べると初出価格からだいぶ攻めた価格付けとなっている。
新モデルSamsung SSD 860 QVOのスペック | ||||||
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容量 | 1TB | 2TB | 4TB | |||
型番 | MZ-76Q1T0B/IT | MZ-76Q2T0B/IT | MZ-76Q4T0B/IT | |||
フォームファクター | 2.5インチ | |||||
NANDフラッシュ | Samsung 4bit MLC V-NAND | |||||
コントローラー | Samsung MJX | |||||
キャッシュメモリー | 1GB LPDDR4 | 2GB LPDDR4 | 4GB LPDDR4 | |||
インターフェース | SATA 3.0(6Gbps) | |||||
シーケンシャルリード | 毎秒550MB | |||||
シーケンシャルライト | 毎秒520MB | |||||
ランダムリード(QD1) | 7500IOPS | |||||
ランダムライト(QD1) | 4万2000IOPS | |||||
ランダムリード(QD32) | 9万6000IOPS | 9万7000IOPS | 9万7000IOPS | |||
ランダムライト(QD32) | 8万900IOPS | |||||
MTBF(平均故障間隔) | 150万時間 | |||||
TBW(書き換え可能容量) | 360TB | 720TB | 1440TB | |||
セキュリティー | AES 256 bitフルディスク暗号化(FDE)、TCG/Opal V2.0、Encrypted Drive (IEEE1667) | |||||
製品保証 | 3年間 | |||||
実売売価(税込) | 1万5500円前後 | 3万5500円前後 | 7万1000円前後 |
860 QVOを6台使ってRAID 0で夢の6TB SSD運用
最近のデスクトップPCでは、システムドライブは高速なM.2接続のNVMe SSDを使っているユーザーが多いと思うが、データドライブはまだHDDなんて方が多いのではなかろうか。SATA 3.0接続SSDのGB単価も十分安くなってきたので、HDDの代わりにTBクラスのSSDをデータドライブとして運用する時代に突入しつつある。
そこで、今回は860 QVOシリーズ中最もGB単価が安い1TBモデルを6台使ってRAID 0を構築し、6TBのデータドライブとして運用してみようというのが本稿の主旨だ。
ちなみに、RAID 0は複数のストレージを束ねて1台の仮想ドライブに見せかけ、大容量化&高速化できる技術だが、そのうちの1台でも故障すると仮想ドライブ内のすべてのデータが破損するリスクもある。ゆえに、RAID 0の構築及び運用は自己責任だ。
Intel RSTでRAID 0を構築してみよう
今回は最もオーソドックスなIntel Rapid Storage Technology(以下、Intel RST)を用いたRAID 0構築方法を紹介する。Intel RSTはIntel製チップセットを搭載するマザーボードで使えるストレージ管理ソフトウェアで、マザーボードのサポートページからダウンロードできる。
なお、Intel RSTを使うには、事前にBIOS(またはUEFI)でチップセット機能であるSATAの動作モードを「AHCI」から「RAID」にしておく必要がある。あとはソフトウェアを数回クリックし、新たに作られた仮想ドライブをWindowsの「ディスクの管理」でボリューム作成すればオーケーという手軽さだ。
なお、今回の検証環境は筆者自宅の自作PCだ。Core i9-7980XEを中心にハイエンドなパーツで構成しているが、写真や動画などのデータはNASに入れているのでデータドライブを運用していなかった。しかしながら、最近システムドライブにPCゲームが入りきらなくなってきたので、ちょうど高速なデータドライブが欲しかったところなのだ。
検証環境 | |
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CPU | Intel「Core i9-7980XE Extreme Edition」(18C/36T、2.6~4.4GHz) |
マザーボード | ASUS「ROG RAMPAGE VI EXTREME」(Intel X299) |
メモリー | G.Skill「Trident Z RGB F4-4000C18Q2-64GTZR」(DDR4-4000 8GB×8、DDR4-2133で運用) |
グラフィックス | GALAKURO「GK-RTX2080Ti-E11GB/HOF」(GeForce RTX 2080 Ti) |
ストレージ | Intel「SSD 760p SSDPEKKW512G8XT」(M.2 NVMe、512GB SSD、システムドライブ運用)、Samsung「860 QVO MZ-76Q1T0B/IT」(SATA 3.0、1TB SSD、データドライブ運用)×6 |
電源ユニット | ENERMAX「MaxTytan EDT1250EWT」(1250W、80 PLUS Titanium) |
PCケース | IN WIN「WINBOT」(E-ATX) |
OS | Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」(October 2018 Update適用) |