自信のなさも影響
仕事で実現したい機会を阻む要因という設問では、日本においては「個人の財務状況」が26%と最も多い理由になっているのに次いで、「失敗に対する恐れ」が24%、「自信がない」が23%となっている。
村上代表は「これらの結果は、日本ならではの特徴だといえる」と前置きし、「このまま辞めずにいまの会社に留まれば、生き残れるという意識が強い。失敗したくない、あるいは自信がないというのは、チャレンジする意識が低いということでもある」と分析。起業する人が少ない理由の一因であることを示した。
この質問でも、国ごとの様子が浮き彫りになる。
フィリピンやマレーシアでは「個人の財務状況」とした回答が多く、国の貧富の差が激しいためと分析。香港やインドネシアでは「ネットワーキングやコネクションの欠如」という回答が上位に入っており、「香港では中国との人脈が重視されること、インドネシアでは、仕事においてもコネが重要な役割を果たしているという国特有の事情が反映されている」と分析した。
また、シンガポールやオーストラリアでは「求人市場が厳しい」という回答が高かったが、「いい仕事が少なく、いい仕事に対するコンペティションが激しいことが背景にある」とした。
さらに「実現したい仕事を得て、これを達成できる自信があるか」という質問に対して、日本は9ヵ国中最下位になった。
ここでは、100を自信の基準点として使用。得点が高いほど、強い自信を持っていることを示しているが、日本は「79」に留まった。対して、1位のインドネシアは「116」、2位のインドが「111」となっている。
この連載の記事
-
第587回
ビジネス
メーカー自身が認定し、工場検査後に販売するパナソニックの中古家電 -
第586回
ビジネス
マイクロソフト、日本への4400億円のAI/データセンター投資の実際 -
第585回
ビジネス
日本市場の重要性を改めて認識する米国企業、変革期にある製造業がカギ -
第584回
ビジネス
NTT版の大規模言語モデル(LLM)、tsuzumiの商用化スタート、勝算は? -
第583回
ビジネス
エコ投資に取り組むエプソン、見方によっては10年で1兆円の投資も -
第582回
ビジネス
パナソニックコネクトの現在地点、柱に据えるBlue Yonder、ロボットとは? -
第581回
ビジネス
スタートして半年の日本NCRコマース、軸はAIとプラットフォームの2つ -
第580回
ビジネス
コンカーの第2章は始まるのか、SAPの生成AIを使って効率的な経費精算を -
第579回
ビジネス
AIの筋トレはいまから始めるべし、マイクロソフト津坂社長がCopilotの議論から得たもの -
第578回
ビジネス
大赤字からの再起はかるバルミューダ、その足掛かりは? -
第577回
ビジネス
日本の強さは量子力学におけるトンネル効果があるため、量子と出会い、広げよう - この連載の一覧へ