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医学部入試における女性差別

2018年12月25日 09時00分更新

文● 池内 了 編集● 盛田 諒(Ryo Morita)

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●女性医師の評価

 東京医科大学当局の差別の理由が、医師としての使いやすさ(つまり労務条件)のみに集中しており、肝心の医師としての専門性(資質・力量・患者との関係構築)などについての判断が一切考慮されていないことを、もっと追及すべきであるのではないだろうか。

 というのは、2017年12月に「女性内科医が担当した入院患者は、死亡率や再入院率が低い」というデータが、アメリカの医学雑誌に発表されているからだ。この結果は統計的に有意であることが証明されている。

 また、2018年4月には「女性外科医は男性外科医に比べ手術関連死が少ない」という論文も発表され、「医療過誤のクレームが男性医師より少ない」という結果のデータも出されており、女性医師の方が医師として優秀であることが示されている。

 ワシントン・ポストやウォールストリート・ジャーナルが「死にたくなければ女医を選べ」と報道したのは、冗談でも皮肉でもない。専門性においては、女性医師は男性医師を上回る実力を示しているのである。

 そのような点を加味したら、むしろ女子受験生を優遇する方が患者にとっても合理的ということになる。それは言い過ぎだとしても、労働条件の不十分さ故に生じている勤務状況そのままにして、女性の能力を活かそうとしない日本社会が合理的であると言えないことは確かだろう。

 日本がジェンダー統計で110位であるのは、さもありなんと思わざるをえない。さまざまな分野への女性の進出、特に人の命を預かる医療の分野で女性が溌溂として働いている、そのような状況を生み出すためにも、問題を幅広く、また長期的視野で捉えて、女性に対する差別を無くしていくように努力するのが大学の役目でもあるのではないだろうか。

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