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医学部入試における女性差別

2018年12月25日 09時00分更新

文● 池内 了 編集● 盛田 諒(Ryo Morita)

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●女性医師の評価

 ところが、主として女性医師の会員のための雑誌を運営する人材紹介会社が、会員(だからほとんどが女性医師である)向けにアンケートを実施したところ、大学が採ってきた対応を「理解できる」「ある程度は期待できる」との回答が65%にのぼったという。

 おそらく、女性が医師として働き続けること、特に大学病院の勤務医として働くことが実に厳しい条件にあり、妊娠・出産・育児などで不規則となったり、突然休んだり、中途で職場を出なければなくなったりすることが多い。その穴埋めをしなければならない(しわ寄せを受ける)のは非妊娠医師と男性医師となってしまう。また、たび重なる超勤や緊急呼び出しなどの長時間勤務が多いため体力的にきついことから早期離職する女性医師も多く、がんばって勤務を続けている女性医師の眼も、同じ性ながら若い女性医師に対して厳しくなっているのだと想像される。

 その結果として、「成績優秀な女子より、男子で洗脳しやすく元気でバカな方が役に立つ」と囁かれているという実情らしい。医師としての専門的技量より、勤務に支障を来たさないかどうかが女性医師の評価を定めているためだ。

 そのような現場の雰囲気を知っているがために、大学当局の面々は入試の段階で女性医師を増やさない(減らす)ための手を打っているのだろう。

 しかし、女性医師も安心して働ける現場の条件(人員配置、シフト体制、勤務時間管理など)を改善する、特に大学病院の実態を社会に公表してその過酷な状況を知ってもらい改善のために働きかける、男性医師も女性医師が無理なく仕事を続けられる条件整備を経営者に訴える(それは自分たちの職場条件にも跳ね返ってくる)など、働いている者同士が対立するのではなく、経営者・大学当局(理事会)・政府に対して要求していくことが肝要である。

 むろん、すぐに状況がよくなるわけではないが、働く者同士が対立させられている限り、環境条件が改善される望みはないことを知るべきだろう。

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