プロセッサーを変更した後継機
IBM System/23 Datamaster
IBM 5120の後継として開発されたのがIBM System/23 Datamasterである。こちらはプロセッサーにIntel 8085を使い、32~128KB(*3)のRAMと112KBのROMを搭載した。筐体にはけっこうゆとりがあり、背面には4本の拡張カードを装着するためのスロットも用意されている。
(*3) Wikipediaでは最大256KB、Old Computer Museumでは最大64KBとしているが、IBM System/23 Service Library Volume 1によれば、16KB単位のR/W Storage(RAMの事)を最大8枚までバンク切り替え式で接続可能と説明されており、最大容量は128KBと思われる。
画像の出典は、Old Computer Museum
画像の出典は、Old Computer Museum
このIBM System/23はBasicのみが搭載され(さすがにAPLは放棄された模様)、IBM 5120に代わってオフィス向けの会計処理などを単独で行なうように設計された製品である。
開発は1978年から始まっており、1980年にはもうほとんどの部分の設計が完了した段階にあったと思われるが、そのタイミングでLowe氏はCMCから新しいPCを自社で開発するように命じられることになった。
こうなると、SCAMPベースというのはもはや論外であり、必然的にSystem/23 Datamasterの構成をベースに構築するしかなくなる。かくして、再びLowe氏はSydnes氏を含む12人(自身を含めて13人)のエンジニアをGSDの通常任務から外し、CMCに提示するプロトタイプ作りを行なうことになる。
2025年4月20日追記
System/23 Datamasterを自身で保有するアンドラ公国にお住いのJaume López氏より、System/23に関する正確な情報をいただいた。氏の情報は以下のとおり。
- RAMは16KB単位でセグメント化され、オンボードで最大128KB、外部のメモリーボードを追加すると最大256KBにできるが、メモリーボードの種類を認識するハンドシェイク機構が最大128KBまでしか対応しない。
- 初期バージョンのSystem/23 DatamasterにはROMソケットが14個搭載され、合計で112KBとなるが、その後ソケットは16個に増やされており、最大128KBとなる。
Jaume López氏はこの16ソケット版を保有しているとのこと。理論上は16個のMemory Bank PageとUnbanked Pageを合わせて272KBにアップグレードできるはずだが、実際にその制限に達したことはないと考えられる。
氏はIBM System/23 Datamasterに関する情報をまとめたページ(https://bitspassats.com/index.php/IBM_System/23_Datamaster)を公開しており、こちらにはもう少し細かな説明があるので、興味ある方は参照されたい。
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