最新パーツ性能チェック 第240回
ソルダリング仕様はオーバークロッカーに福音をもたらすのか?
Core i9-9980XEベンチマーク解禁、Core i9-7980XEとOC比較してみた
2018年11月13日 23時00分更新
ソルダリングで若干OCマージンが上がっている?
さて、ここまでで定格クロック時の素性はある程度掴めたはず。ここからはOC耐性を見ていこう。一口に「耐性」と言っても個体差も大きく関わってくるので、OC設定はBIOSで全コア同クロック(Sync All Cores)、CPU倍率(CPU Core Ratio)とCPUコア電圧(CPU Core Voltage、Manual Mode固定)の値を変更する程度の簡易OCでテストすることにした。なお、最低限の安定性を確保するために、CPU Load-line CalibrationはLevel 8、CPU SVID SupportはDisabledにしている。
いずれも順当に性能が上がっているが、そもそも1コアあたりの性能がほぼ同じなので各動作クロックでスコアーが似通っている。また、CINEBENCH R15の値は揺れが大きいため、5~6回試行したピーク値を掲載。V-Ray BenchmarkもOCするにしたがって1秒程度の誤差が出てくるため、4.4GHz OCと4.5GHz OCでは同着になっている点に留意していただきたい。
しかし、ここでポイントなのはCore i9-7980XEではOCできても全コア4.4GHzまでで、Core i9-9980XEでは全コア4.5GHzまで伸びている点だ。これはCore i9-9980XEは温度的な余裕があり、Core i9-7980XEよりも0.1GHzだけだが高く設定することができたためだ。
また、コア電圧設定もCore i9-7980XEより低くできた。同じ全コア4.4Hz OC設定でも、Core i9-7980XEでは1.15V未満だとCINEBENCH R15などが回らずフリーズしてしまうが、Core i9-9980XEでは1.12Vとより低い電圧で安定動作できた。たまたま優良な個体を掴んだ可能性もあるが、少なくとも筆者の手元にあるCore i9-7980XEよりはOC耐性が高いと言えるだろう。
この連載の記事
-
第454回
デジタル
性能が最大50%引き上げられたSamsung製SSD「990 EVO Plus」は良コスパSSDの新星だ -
第453回
デジタル
性能も上がったが消費電力も増えた「Ryzen 7 9800X3D」最速レビュー、AI推論の処理速度は7800X3Dの約2倍! -
第452回
自作PC
Core Ultra 200Sシリーズのゲーム性能は?Core Ultra 5/7/9を10タイトルで徹底検証 -
第451回
自作PC
Core Ultra 9 285K/Core Ultra 7 265K/Core Ultra 5 245K速報レビュー!第14世代&Ryzen 9000との比較で実力を見る -
第450回
デジタル
AGESA 1.2.0.2でRyzen 9 9950Xのパフォーマンスは改善するか? -
第449回
デジタル
Ryzen 9000シリーズの性能にWindows 11の分岐予測改善コードはどう影響するか? -
第448回
デジタル
TDP 105W動作にするとRyzen 7 9700X/Ryzen 5 9600Xはどの程度化ける? レッドゾーン寸前を攻める絶妙な設定だが、ゲームでの効果は期待薄 -
第447回
デジタル
Zen 5とTDP増でゲーム性能は向上したか?「Ryzen 9 9950X」「Ryzen 9 9900X」の実力チェック -
第446回
デジタル
「Ryzen 9 9950X」「Ryzen 9 9900X」は“約束された”最強のCPUになれたのか? ベンチマークで見えた利点と欠点 -
第445回
デジタル
「Ryzen 7 9700X」「Ryzen 5 9600X」のゲーミング性能はゲームキングRyzen 7 7800X3Dに勝てる? -
第444回
sponsored
AI時代だからこそNVMe SSDで強化!! 新登場「WD BLUE SN5000」速攻レビュー - この連載の一覧へ