●未来感ある体験得られる
今回の実証実験では、観客スタンドにWi-Fi環境を整え、通信機能を内蔵したスタンドアローン型のスマートグラス「R-9」(Osterhout Design Group社製)にデータを送っていた。R-9は、重さ181gで、チップセットにはクアルコム社製Snapdragon 835を搭載する。スペックとしては、ハイエンドのスマホと同等の性能を持つものだ。
実際にスマートグラスを装着し、ファイターズとライオンズの試合を観戦した。確かに、目の前にスコアボードや球種、選手の詳細情報が浮かび上がって表示され、とても未来感のある体験を得ることができた。
ただ、情報の見える場所が、ドームの屋根の方向だったり、足元だったりするため、顔を上げたり下げたりする必要があり、かなり面倒な印象があった。自分が「ここに表示すると、グラウンドの選手たちと一緒に情報が確認できて便利なのに」と思ったところに表示してくれずストレスを感じてしまうのであった。
スマートグラスをかける前、頭の中では「グラウンドに絶妙に浮かび上がる選手たちの情報」がイメージされたのだが、想像とははるかにかけ離れた体験となってしまっていた。
スマートグラスも、ユーザーが見ている方向などを認識し、適した情報を表示しようとしているため、負荷の高い処理をせざるをえず、本体がかなり熱くなり、処理が止まってしまうこともたびたびあった。バッテリーも数十分間しか持たない。
通信環境においても、Wi-Fiを用いていたためか通信が安定せず、音声実況も途切れ途切れだったりするなど、快適とは言えない状況であった。
この連載の記事
-
第217回
トピックス
シャオミ台数急増 理由は安くても品質に自信大 -
第216回
トピックス
総務省の“アップルつぶし”か スマホ下取り価格規制 -
第215回
トピックス
クアルコム、経済圏拡大に“邪魔者” アームとの対立深まる -
第214回
トピックス
ドコモよりauとソフトバンクの体感品質が上がっている事実 -
第213回
トピックス
総務省がソフトバンクを刺しに来た? もう割引規制なんて撤廃すべきだ -
第212回
トピックス
「折りたたみスマホ」いまだに低調 欲しいと思える「何か」が足りない -
第211回
トピックス
KDDIローソン、狙いは“学生” 「無料ギガ」と「吊るし」でアピール -
第210回
iPhone
アップル「iPhone 16」シリーズ、オススメはこの2つ -
第209回
トピックス
スマホがどこでも買える今、ソフトバンクの“英断”は理にかなっている -
第208回
トピックス
通信品質の低下が指摘されるドコモ、大規模イベントで驚きの対策 -
第207回
トピックス
楽天モバイル好調のワケ 「三木谷キャンペーン」が金脈に - この連載の一覧へ