アマゾンジャパンおよびアマゾン ウェブ サービス ジャパンは、東京・目黒の目黒セントラルスクエアに新オフィスを開設。2018年9月19日、アマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長やアマゾン ウェブ サービス ジャパンの長崎忠雄社長などが出席して、オープニングイベントを開催した。また、10月1日にオープンする予定の開発者向けスペース「AWS Loft Tokyo」や、AIやIoT、VRなどを活用したイノベーションを実践する「AWS Digital Innovation Lab」の様子も公開した。
アマゾンジャパンのチャン社長は、「アマゾンジャパンは、2000年にスタートしたときには、社員数は100人程度だったが、いまでは、国内に20カ所以上の物流センターを持ち、全国に6000人のアマゾニアと呼ばれる社員がいる。今後、1000人を増員する計画である。私は、アマゾンジャパンの創業時から参画し、日本人の勤勉さやチームワークを学んだ。これがアマゾンジャパンの成長を支えている。日本はアマゾンにとって重要な国のひとつである。今後もイノベーションのために、テクノロジーや人材に投資していく。新オフィスは、フリーアドレス制を採用しており、顧客の要望や環境変化に迅速に対応する社員の働き方を分析した結果に基づいてデザインした。アマゾニアの働き方に柔軟に対応するだけでなく、身体と心のケアにも配慮している」と語った。
また、アマゾン ウェブ サービス ジャパンの長崎社長は、「AWSは、2010年に日本でスタートし、現在、大手企業からスタートアップ企業まで、10万を超える企業に利用してもらっている。様々なワークロードがAWS上で動き、日本の企業のイノベーションに貢献している。新オフィスは、3つめの拠点となり、目黒の2つの拠点をあわせて、『アマゾンキャンパス』と呼ぶ。なかでも新オフィスは情報発信拠点と位置づけたい。ここには、Amazon PrimeやAmazon Music、Amazon Deviceなどの多岐に渡るチームが入居することになる。財務、マーケティング、営業支援、カスタマサポート、クラウドアーキテクト、機械学習の技術者などを積極的に採用していく計画であり、ここで、新たな人たちと出会うことを楽しみにしている」とした。
また、「新オフィスは、イノベーションを行なうために最適なオフィスとはなにかを議論して設計した。定規で線を引いたようなものでなく、流線型を持たせ、座席の座り方もさまざまなものを用意している。緑をふんだんに盛り込んだ『緑もりもり』のオフィス。家やカフェにいるように、リラックスして仕事ができ、部署や役職を超えた議論ができる。これによって、新たな付加価値を顧客に提供し、スピード感のある意思決定もできるようになると期待している。また、国籍、宗教、性別といった社員の多様性も尊重しており、礼拝室、搾乳室、ジェンダーフリーのトイレやシャワールームも用意している。目黒発のイノベーションを、日本および世界に発信したい」と述べた。
オープニングイベントに来賓として登壇した衆議院議員 自民党 広報本部長 IT戦略特命委員長の平井卓也氏は、「自民党のオフィスは、昭和の匂いがし、モクモクしており、アマゾンの未来型のオフィスとの差に驚いた。多くの国会議員に見せたい。自民党の政調審議会は、2020年までにペーパーレスを実現する計画である。アマゾンの新オフィスを参考にして改装したい」と述べたほか、「私は、Amazon Primeの会員であり、オリジナル作品はずっと見入ってしまう。また、自宅と事務所にはAlexaを設置している。さらに、政府でもAWSを活用している」などと語った。さらに、「デジタルファースト法案を次期国会で提出する予定であり、デジタル技術を活用して社会を豊かにしていくことになる。高齢者にもやさしいデジタル社会を作るためにどうするかということも含めていく」などと語った。
ゲストとして登壇したメルカリ/メルペイ プリンシパルエンジニアマネージャーの高橋三徳取締役は、「かつては、AWSのようなサービスがなく、サーバーをレンタルしたり、自社で導入するには、コストが高く、時間もかかった。AWSは、コミュニティ活動を積極化し、ユーザー間でノウハウを共有する仕組みを作ることで、利用者が増えた。いまではAWS無しでは新たなサービスの立ち上げは考えられない。また、テレビ東京の夜のニュース番組に製品が取り上げられると、サーバーが落ちるという『WBS砲』というのがあり、それに対応する点でもAWSは適していた。新オフィスでは、開発者が自由に使えるAWS Loft Tokyoを通じて、新たなスタートアップが生まれることも楽しみである」と挨拶。
また、アマゾンが支援しているNPO法人 Kids’Doorの渡辺由美子理事長氏も登壇し、「Kids’Doorは、貧困家庭に対する学習支援を行うNPO法人として活動している」と説明。「今後、プログラム学習の必須化があるが、経済格差が課題になってくると予測されている。子供の学習意欲を高めるための取り組みがますます大切になってくる。アマゾンのこれまでの支援に感謝するとともに、これからの発展にも期待している」と発言する。
これに対して、アマゾンジャパンのチャン社長は、「子供たちが教育を受けて、幸せな未来を迎えることができるように支援をしていきたい。Kids’Doorが施設を作るプロジェクトに対して寄付をするとともに、タブレットやスマートスピーカーなどのデバイスの寄贈、ボランティアによる教育支援を行う」と語った。