高止まりの水温をどうするか
この日は、私の住んでいる地域でも、最高気温30.2度の真夏日を記録した、とても暑かった日である(北海道としては)。そりゃ水温も上がるはずだが、問題は日照がなくなり室温が下がっても、水温はホールドされたまま下がらないこと。その様子を観察できるのが下のグラフ。
青い太線が水温。ついでに照度(赤)、室温(橙)、気象庁発表の外気温(緑)も重ねてみた。照度が一部欠けているが、これはセンサーが測れる上限の30klxを越えたため。
水温が最初にガクッと落ちているのは、31.8度という数字を見た私が、慌てて氷をタンクに放り込んだから。以降、翌日の昼下がりまで、水温はほとんど変わっていない。
これは、ie・naの断熱構造も理由のはず。タンクの水槽と栽培プレートの裏には、発泡スチロールが使われている。だから日に当たっても急に水温は上がらないが、じわじわと上がった水温は、夜になってもなかなか下がらない。
光には当てたいが、水温は上げたくない。このジレンマを解決するには、タンクを別体にして日の当たらない涼しいところに置くべきだろう。実際、プロのシステムはそういう設計になっているらしい。
ダメモトでタネを蒔く
家庭用のコンパクトな一体型はどうするべきか。ie・naのオーバーフローの一角は給水口になっていて、プレートが外れる。中に手を入れてみると、ものすごく蒸していた。ここを外気にさらしてやれば、空冷化できるのではないか。
試しに、夜の間は給水口を開けっぱなしにし、窓も開けて風通しを良くしておいたところ、朝には24~26度くらいに落ちていた。一度落ちると、昼間の太陽を浴びても28度を越えない。毎日繰り返すことで、日照量と関係なく、水温は26~28度の範囲で安定するようになってきた。いいぞいいぞ。
これならタネを蒔いても大丈夫だ。でも、うちの日照条件で、なにを蒔いたらうまく育ってくれるのだろう? これも今回調べて初めて知ったのだが、そもそも真夏が蒔き時の野菜なんて、ほとんどなかったのである。そりゃあ、あれだけ気温も水温も上がれば当然か。
それでも私はダメモトでタネを買い、蒔いてみた。翌朝には、もう発芽の兆候が! 植物の生命力すごい! なにを蒔いたのかはまた次回!
四本 淑三(よつもと としみ)
北海道の建設会社で働く兼業テキストファイル製造業者。