ついにシステム稼働(ただし水温計測のため)
それなりに日が当たるということは、液体肥料の水温もそれなりに上がり、溶存酸素量(水に溶け込む酸素の量)も減る。酸素を根に送り込んでナンボのアクティブ型水耕栽培だから、水温管理は重要なはずだ。
説明書には、葉菜なら水温は18~28度が適温と書いてある。果たして、その線で維持できるのだろうか。そこでie・naに水を注入し、ポンプを回して計ることにした。ここにきてやっとシステム稼働。そしてレビュー要素も出てくる。
まず、ポンプはAC100V駆動で、本体を丸ごとタンクの中に沈めて使う「水中ポンプ」。なんの固定もせず、ただタンクに沈めるだけ。吐出量は私が試したところ、約15秒で500mlペットボトル1本分くらい。消費電力は6Wで、電気代は1ヵ月あたり約90~120円。これはメーカー発表の値。
リビングに置ける騒音の低さ
ie・naの構造はタンクの上に栽培槽(緑のパーツ)が載る2槽式。タンクからポンプで汲み上げられた養液は、栽培槽の中をぐるっと回り、液面を一定に保つオーバーフロー(灰色のパイプ)から、再びタンクへ落ちてゆく。その循環をiPad ProとApple Pencil、描画アプリの「Procreate」を使い、美しく示したのが、以下の図だ。
あの寺田画伯も愛用のアプリを、こんなことにしか使えない私はさすがとしか言いようがない。
さて、動かしてみて驚いたのは、ポンプの動作音の低さ。これならリビングに置いても、家族から文句は出ないだろう。ポンプの置きどころや、ie・na本体の設置場所によっては「ブーン」という共振音も出てしまうが、タンク内のACコードの取り回しや、ie・naの底にウレタンを敷くなどの対策で回避できる。
もしオーバーフローから落ちる水の音が「バシャバシャ」とうるさければ、オーバーフローの角度をうまく調整することで「チョロチョロ」くらいには抑えられる。空中に水を落とす構造なのは、ここで酸素を含ませる意味もあるだろうから、ある程度は諦めなければならないが。
ポンプを回して24時間放置後、温度センサーを貼り付けて水温を見てみると、あー、これは大変。いきなり31.8度と出た。