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夏休みの自由研究として水耕栽培を始めてみた

2018年07月21日 12時00分更新

文● 四本淑三

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水耕栽培キットをポチる

 ならば水槽になるようなものとウォーターポンプを買ってくれば、自分で作れるのではないか。そうも思ったが、簡単に始められるオールインワンのキットがあるので、まずそれを試してみることにした。

 えこりん村に「ご家庭でもできます」というような感じで、ポンと置かれていたのがそのキット。SANEI株式会社の「ie・na(イエナ)」という製品で、きっと家で菜を育てるからイエナなんだろう(想像)。

 家に帰ってさっそくポチる。価格はヨドバシドットコムで1万780円。 あちこちの通販サイトで売られているから、それなりにメジャーな製品なのだと想像できる。

 届いた荷物の中身を開けてみると、これが実に楽しげ。まるで学研の「科学」「学習」の付録のようだ(実は学研も「LEDガーデン」という水耕・土耕兼用の栽培キットを売っているのだが)。2液式の液肥と、「岡山サラダ菜」と、プチトマト「ネネ」のタネも入っていた。

水耕栽培は得をしようと考えないほうがいい

 ie・naを販売しているSANEIは、水栓金具やバルブ、シャワーなどの水回りの製品を造っている会社。種苗や液体肥料のメーカーではないところがおもしろい。水の扱いなら任せておけということなのか、既存製品の販売網がそのままガーデニング関係と重なるからなのか。多分、両方だろう。

 SANEIに限らず、水耕栽培の周辺では、他分野でのノウハウを持った異業種参入は、あちこちに見られる。たとえば産業ガス関連企業のエア・ウォーターは、ガラスハウスの炭酸ガス濃度、温度、太陽光の光量を自動制御する大規模な野菜工場を成功させている。

 だが水耕栽培を事業として成功させるのは、プロの世界でも難しいと聞く。実はうちの近所に先のエア・ウォーター千歳工場があるのだが、もともとオムロンの関連会社が水耕栽培を始めたものの事業は失敗に終わり、最終的に半ば廃墟と化した工場をエア・ウォーターが買い取ったらしい。

 だから家庭の水耕栽培で、なにか得をしようなどとは考えない方がいい。たとえばトマト1個100円程度がスーパーでの相場だとして、このキットの元をとるには108個は収穫しなければならない。これにはポンプを回す電気代や液肥のような消耗品は含まれていない。

 それ以前に、果たしてホントに野菜ができるのかどうか。水耕栽培どころか、ガーデニング一般の経験が一切ない私は、実際にキットが届くまで不安だった。だが、かわいらしいイラスト入りの説明書をはじめとして、実に懇切丁寧なわかりやすいキット内容で、これなら私にもやれそうな気がしてきた。

 アマチュアである私は、とりあえず植物がうまく育てば万々歳である。

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