金融庁研究会で欠けている論点:
「仮想通貨ダメ、ブロックチェーンOK」でいいのか
2018年07月17日 09時00分更新
■「仮想通貨ダメ」と言いきるのは早計
東京大学大学院経済学研究科教授の福田慎一氏は前述の会合で、今後のイノベーションの進展を見守っていく必要があると指摘する。「現状、仮想通貨はリスクの方が大きいけれど、ブロックチェーンの方はプラスの面の方が大きいという評価は一般的だとは思いますが、これが今後どうなのかということに関しては、決め打ちは必ずしも適切ではないのではないか」
お役所の有識者会議というと退屈そうなイメージがあるが、幅広い分野の専門家が、さまざまな立場からブロックチェーンと仮想通貨について意見を交わす研究会は、なかなか刺激的だ。
福田氏の指摘するように、はっきりした答えを出すのはまだ早い。しばらくは、議論とイノベーションの行方を、楽しんで見守るのがよさそうだ。
筆者──小島寛明
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1975年生まれ、上智大学外国語学部ポルトガル語学科卒。2000年に朝日新聞社に入社、社会部記者を経て、2012年より開発コンサルティング会社に勤務し、モザンビークやラテンアメリカ、東北の被災地などで国際協力分野の技術協力プロジェクトや調査に従事した。2017年6月よりフリーランスの記者として活動している。取材のテーマは「テクノロジーと社会」「アフリカと日本」「東北」など。著書に『仮想通貨の新ルール』(ビジネスインサイダージャパン取材班との共著)。
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