4月28日と29日の2日間、東京・中野サンプラザで開催された「春のヘッドフォン祭2018」。
新しい流れとして注目したいのが、カスタマイズやパーソナライズだ。「Amiron Wireless JP」や「A-01」といった聴力をアプリなどで測定してリスナーの耳の特性にあった音で再生できる機種をはじめとして、3D音響、あるいはデザインのパーソナライズなど様々なアプローチでそれを感じた。その軸で製品をまとめてみよう。
AUDEZEの「MOBIUS」は平面振動板を使用したゲーミングヘッドフォンという独特な立ち位置の製品。ジャイロセンサーを内蔵しており、頭の動きに連動する形で定位がズレずに追従する点が特徴だ。つまり左右を向けばそれに合わせて音像の位置が変わる。より実空間にいる感覚で音を聴けるわけだ。夏以降の一般販売開始を予定しており、先行してKickStarterなどでの募集も受け付けている。価格も6万円台と平面振動板を採用した機種としては安価に抑えられている。
接続はBluetoothまたはUSBで、LDACにも対応する。また、映画再生でも有効な「3D立体音響」機能を搭載。7.1chや5.1chのバーチャルサラウンド再生に対応している。周波数特性は10Hz~50kHz。
Bluetoothヘッドフォンはアンプやデジタル信号をデコードする回路を内蔵しており、イコライジング処理などを入れやすいこともあって、音響調整機能に力を入れている機種が多い。MEE audioの「CinemaEAR」もそのひとつで、4種類のオーディオエンハンス機能を持っている。「MATRIX CINEMA」はこの機能を搭載したヘッドフォンで、実売2万円以下の機種となる。Bluetoothイヤフォンの「EARBOOST EB1」はスマホアプリを利用して、聴力を診断し、耳に合ったEQを手動調整できる機種となっている。
ヤマハの「“聴く”VR」は、AVアンプで培った音場技術を一般的なヘッドフォンやイヤフォンでも利用できるようにするための技術。専用機器を通すことで、音楽や映画など、コンテンツにあった音の広がりを作り出せる。過去のイベントでも展示されていたが、2019年春の製品化を目指しつつ機能の改善に取り組んでいる。製品としては単体のヘッドフォンアンプとして出すことを計画しているそうだ。据え置き型だけでなく、持ち運び可能なスティック型アンプなども視野に入れているとのこと。要望を聞きながら、対応するコンテンツのジャンルを着実に広げているようだ。
ちょっと趣向の異なるアプローチとして、カスタムイヤピースにも注目。BitSoundのフルカスタムイヤピースは、耳型を取って耳にピッタリ合うイヤピースを作成できるというもの。対応機種として今回「AKG N5005」が追加された。型番としては「B-08」で、価格は3万9800円。ハイエンドイヤフォンをより自分のためにカスタマイズできる。
ミュージシャン向けをうたった、MEE audioのイヤホン「M6PRO 2ND GENERATION」も発売の一足先に展示。6000円以下の価格で買える製品。IPX5の防水に対応。また、1デザインにつき10個からとなるが、新たにオリジナルデザインのフェイスプレートをカスタムできるようになっている。バンドなどでメンバーが同じデザインのイヤフォンを発注するといったことができるそうだ。
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