クラウド機能を利用したトラッキングなど
スマホアプリの機能は充実しているが……
一方、クライアントであるスマホのアプリ構造はなかなかよくできている。前述したようにMAMORIOは他社製のタグと異なり、内蔵バッテリーの交換が不可能だ。それゆえ、タグの買い増しや買い替えなどをインクカートリッジ並みにクライアントアプリで一括管理できる。
また1つのタグを家族や友人間などでシェアすることも可能だ。購入後、半年近くになるとMAMORIOは内蔵バッテリーの機能喪失の危険性もあるので、時折、アプリを使い内部バッテリーの診断をしておくのが望ましい。
少しでもバッテリーに不安があれば、メーカー引取によるOTAKIAGEの半額提供サービスを利用すべきだ。新しいタグが届けば、アプリの機能で、旧タグによって記録されていた移動経路以外のすべてのデータは新タグに引き継ぎ処理を簡単に行なえる。
MOMORIOはその後もお知らせでは「見守っています」と言いながら、何度も、勝手に筆者のカバンに取り付けたタグを見失っては、お知らせ機能で「T教授のサコッシュは手元にありますか?」なんて聞いてくる。
その度に「あります」「ありません」を選んで教えてやるのだが、モノは試しと思って一度「みんなでさがす」を選択してみたところ、4月2日からなんと22日まで約20日間探しても見つからないという事実ががあった。
遺失物トラッキング&アラートタグの目指す遺失物クラウドサーチシステムは、同じクラウドの仕組みを使い、同じ機能のタグを持っているユーザーが自分の登録タグ以外が接近したときに、そのタグ情報をクラウドサーバーに届けてくれるオープンなサービスだ。
夢のようなそのサービスを筆者の住む東京で実現するためには、1400万人の内のいったい何人の人が同じMAMORIOを使っていれば可能なのか筆者にはすぐに分からないが、そんな夢のような遺失物発見互助会機能よりも、アドホックでいいので、たった1つのタグと1つのスマホとの連携精度をアップしてほしいと思ってしまった。
遺失物トラッキング&アラートタグは
“便利な道具”の域に達していないように思える
すでに国内でも多くの遺失物トラッキング&アラートタグが発売されているが、筆者の個人的感覚では、いずれも“理論的にできる”の域を出ておらず、決して“便利な道具”には成熟していない。
自身で経験することはないより大事だが、期待過剰にならずにガジェット的遊び感覚で試されることをおすすめしたい。

今回の衝動買い
アイテム:
MAMORIO
価格:アマゾンにて1890円で購入
T教授
日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
T教授も関わるKOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。

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