サイボウズ社が提供しているウェブサービス「kintone」は、一言で言うなら「簡単に自社の業務に適したシステムを作成できるクラウドサービス」だ。業務アプリを直感的に作成できるほか、社内SNSとしての機能も備えスピーディーに情報共有ができるなど魅力が盛り沢山だ。
本連載では、そんなkintoneの導入から基本機能の紹介、そしてアプリの活用法など、ビジネスの現場で役立つ情報を取り上げていく。第46回では、レコードをツリー形式でカテゴリー分け表示してみる。
レコードをカテゴリー分けして表示する方法を紹介
今回は、レコードをカテゴリー分けして、表示する方法を紹介する。たとえば、「問い合わせ管理」アプリの「対応状況」で完了/対応中/未対応というステータスを管理しているとする。この中から、未対応のレコードだけを一覧表示する場合、「絞り込み」から条件を指定すればいい。ただ、この操作を頻繁に行なうなら、毎回何クリックもして条件を設定するのは手間がかかる。そんな時は、「絞り込み」で条件を入力した後、「保存」をクリックすれば、一覧のプルダウンメニューから絞り込めるようになる。複数の条件を設定しておけば「対応状況」ごとにレコードを一覧表示できるのだ。
とはいえ、これでもメニューを開いて選択するという2クリックが必要になる。頻繁に絞り込み操作を行なうなら、「カテゴリー」機能もチェックしておきたい。
カテゴリー機能を有効にしよう
「カテゴリー」はkintone標準の機能だが、初期設定で無効になっており、「設定」から有効にする必要がある。「その他の設定」→「カテゴリー」を開き、「カテゴリーを有効にする」にチェックを入れる。続いて、下のフォームにカテゴリー名を入力すればいい。「+」をタップすれば、項目を追加できる。入力後、左上の「保存」をクリックしよう。
アプリを開くと、一覧画面の左側にカテゴリーがツリー表示されるようになる。「未対応」をクリックすれば、未対応のレコードのみが1クリックで表示できるのだ。
カテゴリーはレコードを登録する際、メニューから選択するようになっている。すでにデータが登録されているアプリにカテゴリーを導入するなら、一度CSVファイルにエクスポートして、エクセル上で編集する方が楽だ。
アプリ右上の「・・・」をクリックし、「ファイルに書き出す」でエクスポートし、「カテゴリー」列にデータを入力すればいい。「問い合わせ管理」アプリの場合は、「対応状況」をまるごとコピーするだけ。後は保存して、同じようにファイルから読み込ませれば完了。「カテゴリー」をクリックすると、すべてのデータが振り分けて表示されるようになっている。
カテゴリーを階層化する方法
カテゴリーは階層化することも可能。最大5階層まで設定でき、親カテゴリーをクリックするとその子カテゴリーのレコードもまとめて表示される。カテゴリーの階層はたたむことができないので、あまり複雑な階層にすると、登録するのも表示を切り替えるのも手間がかかる。2~3階層にまとめておく方がいいだろう。
階層化したうえで、CSVファイルのインポートをエクスポートする場合は注意が必要。同じ階層名を設定していると、意図しない振り分けになってしまうことがあるためだ。たとえば、異なる支社に同じ「営業部」という部署があるとしても、ナンバリングや地名などを追加して差別化しておこう。
「カテゴリー」機能は、一覧の表示を頻繁に切り替えて分析するような使い方に向いている。動作もサクサクしているし、便利な機能ではある。しかし、注意したい点もある。やや特殊な機能になるので、APIの対応が進んでいないのだ。カテゴリーとその内容を取得したり、階層構造を維持したままエクスポート・インポートしたりすることが苦手。プラグインを使ったり、ばりばりカスタマイズして進化させていくようなアプリで使うのは避けた方がいいかもしれない。逆に、一度作ったら、そのまま使い続けるようなアプリなら問題なく活用できる。
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