データは色付きで保存 セキュリティーも強化
見た限りはモノクロイメージのデジタルペーパーなので、デジタルペーパー上で、筆跡は単色の黒の濃淡にしか見えない。
しかし、パソコンファイルやクラウドサービス上に転送されたファイルでは青と赤のインクの色が明確に判別できる。
デジタルペーパー上で選択できるインクの色は青と赤、ペン先の太さは5種類。専用スタイラスのボタンを押すことで消しゴムのサイズも3種類から選べる。
使用頻度の高い既存の手書きノートからの読み込みは、リスト形式のファイル名一覧表示形式かサムネイル形式表示からのどちらからでも可能。
タイトル(ファイル名)からだけではどうしても内容を思い出せない手書きメモの場合でも、実際に見えているサムネイルのイメージで判断できるので極めて便利だ。
今回のモデルから、セキュリティー機能も強化され、ファイル交換はDigital Paper Appでペアリングしたパソコンとの間でのみ可能だ。
またデジタルペーパーを放置した場合には、事前に設定した時間が経過すると自動的に画面ロック機能が有効になる。従来のようにパスワードで解除するか、事前に設定登録したFeliCaカードやおサイフケータイをデジタルペーパーの右上のNFCの位置にかざすことでアンロック可能だ。
一番いいのはなつかしい書き心地
最後になったが、冒頭でも記述しているように、いろいろ細かな不満はあるが、筆者が極めて気に入ってるデジタルペーパーの最高にいい点は、専用スタイラスペンと、ユニークな芯、反射光の極めて少ない薄型の“ノンスリップパネル”の三者による、チョット引っかかりのある鉛筆のような懐かしい筆記感覚だ。
標準的に付属するペン先は、ボールペンのような少し硬質で滑らかな筆記感覚のポリアセタール芯(樹脂素材)と、鉛筆のような少し引っかかりのあるフェルト芯(ハードフェルト)の2種類が各2本ずつ同梱されている。
筆者は両者を磨り減るまで使った結果、フェルト芯のリフィルを1パッケージ(10本入)追加購入した。
デジタルペーパーは、手書き入力を前提として考えた場合、生まれてから長く手先が自然と覚えてしまっている“鉛筆で紙に描く感覚”を一番上手く再現している手書きクライアントだ。
これは筆者の持っているどのiPadやAndroidタブレット、Surfaceと比較しても、変わらない。
A4サイズのデジタルペーパーは、iPad miniと同じくらいの349gと超軽量薄型だ。なので、常時持ち歩いて、いつでもどこでも活用したくなるクライアントだ。
軽さというメリットを犠牲にしないために、筆者は海外の文具店なので入手したちょっと風変わりな紙封筒をケース代わりに使用ている。
しかし、他のモノとカバンに詰め込む時には、Eインクの画面が心配で、純正のフリップケースも購入した。
フリップケース(200g)はデジタルペーパーをシリコン素材で粘着させるだけなので、粘着度も高く、同時に取り外しも易しいので重宝している。
しかし349gの超軽量デジタルペーパーの携帯時の軽さを生かすなら紙封筒が圧倒的だ。
まさに紙とボールペンの書き心地を実現する唯一無二のデジタル製品
初代のデジタルペーパーに続いて、2代目も衝動買いしてしまった筆者だが、価格のことを忘れると、手書きペン入力のデジタル系ガジェットの世界では、今のところ勝負できる比較対象機種は皆無の状況だ。
しかし、70年近い歴史のある黄色い「リーガルパッド」と「BICボールペン」の黄金コンビは、最強のコンペティターとして依然残っている。
今回の衝動買い
アイテム:
ソニーデジタルペーパー DPT-RP1
価格:ソニーストアにて8万6184円で購入
T教授
日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
T教授も関わるKOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。
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