プリンストンが販売する高機能ストレージ「Drobo」を活用しよう 第34回
基本的なSAN用語から見てみよう
Drobo B810iのiSCSI SANってなんだ?
2018年03月09日 11時00分更新
安価で使いやすいiSCSI
良いことずくめに見えるFCだが、そこには当然罠(?)がある。一般的なEthernetで使われるケーブルと比べると、光ファイバーは高コストな上にハンドリングも難しい。またFC用のホストバスアダプタも需要が少ない分、一般的なEthernet用のアダプタと比較すると高価になる。つまり、全体的に高くつくのだ。
そこで、SANの側にも汎用のEthernetを採用し、TCP/IP上でSCSIプロトコルを使用する規格が考案された。それがiSCSI(Internet Small Computer System Interface)というわけだ。
なぜ先頭の「i」だけ小文字なのかは、調べてみたが分からなかった。完全に筆者の想像だが、正式な規格としてiSCSIが提案された時期とAppleのiPodが出てきた時期がかぶるので、その人気にあやかって「ノリ」で小文字にしたのではないだろうか。
iSCSIはFCよりも性能が低いと言われるが、ギガビットEthernet(GbE:Gigabit Ethernet)や伝送速度が10Gbpsもある「10GbE」の普及により、必要にして十分な性能を得られるようになって現在に至っている。
Drobo B810iが適した環境は?
前述のとおりDrobo B810iは、iSCSI規格のSAN環境を構築するためのDroboというわけだ。この連載では以前Drobo B810nという機種を紹介したことがある。
→SOHOで仕事始めるならDrobo B810n買ってみる?
Drobo B810iとB810nは型番も似ているし、サイズも同じで、例によって前面から見るとまったく区別がつかない。その差はB810nがNASであるのに対して、B810iがSANで用いる機器という点にある。Drobo B810nはハイエンドの個人ユースからSOHOといった層がターゲットであり、大量のデータを扱うのであれば個人で所有するのもアリだと思っている。一方Drobo B810iの場合はそもそもSANの環境で利用するものであり、SANを構築している個人宅やSOHOはそうそうないと思われる。
ではDrobo B810iのターゲット層は、どの辺りなのだろうか? そもそもでSANが必要な環境というのは、サーバー(物理でも仮想でも)やクライアントマシンが大量にあって、個別にストレージを装備していては管理コストが嵩んでしまうようなところだ。さらにもう少し具体的に言うと、「サーバー/クライアントを大量に扱っているので、大手ベンダーにSANソリューションの見積もりをとってみたが、金額が高すぎて困ってしまった中小企業」といったイメージだ。
(次ページ、「iSCSIでも、管理は使いやすい「Drobo Dashboard」で」に続く)
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